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私達は廃墟を恐れない!

原文:https://tekosinaanarsist.noblogs.org/we-are-not-afraid-of-ruins/
原文掲載日:2024年12月3日
著者:テコシナ゠アナルシスト(アナキストの闘争)

5年前、シリア民主軍(SDF)はISISによるカリフ支配を終わらせた。今、ハイアト゠タハリール゠アル‐シャーム(HTS)の新たな攻撃によって、その残虐行為が復活する危険がある。HTSはカリフの元戦士を隊列に擁する多くのジハード主義グループを結束させている。最近、彼等は大規模攻撃を開始し、イドリブの包囲を突破し、シリア゠アラブ軍を崩壊させた。アレッポは彼等が占領した最初の大都市であり、政府軍の兵士が残した大量の最新兵器を押収した。

SDFは迅速に対応し、アレッポのクルド人居住区シェイク゠マクスードとシャーバ地区の難民キャンプを守るべく増援部隊を派遣した。しかし、トルコ軍の代理部隊シリア国民軍(SNA)は、HTSと連携して新たな攻撃を開始し、シャーバの同じ地区に侵攻した。2018年のトルコによるアフリン侵攻で避難を余儀なくされた難民達はまたもや銃を突きつけられて家を離れねばならなくなった。今、10万人以上がユーフラテス川岸に簡易テントを張って避難所を探しているが、未だにジハード主義グループのさらなる進撃に脅かされている。

こうした新しい展開は、中東の不安定さを悪化させるものであり、この地域で進行中の他の紛争と併せて注視しなければならない。イスラエルによるガザの占領は、ヒズボラに対する攻撃と共に、シリアにおけるイランの立場を弱め、シリア゠アラブ軍(SAA)をイランが支援する能力を制限している。ロシア軍もウクライナでのほぼ3年にわたる戦争で弱体化し、複数の地上拠点を放棄して、イドリブとアレッポを残忍に空爆している。米国はトランプが米軍をシリアの地から撤退させる可能性を知り、紛争から距離を置こうとしている。トルコ兵は今のところ表立って関与していないものの、トルコ国家はSNAの糸を引き、クルド民族に対する大量虐殺政策を継続している。アサドは他のアラブ諸国から国際的支援を集めようとしており、既にイランはSAAとの共同反攻を展開すべく援軍を送り始めた。この混乱の中、ロジャヴァ革命とクルド解放運動は中東の革命家の中心的希望として抵抗しているのである。

シリアでは過去5年間で最大の勢力再編が進行中で、それは私達がまだ予見できない意味を持っているのかもしれない。情況は複雑で、その把握に多くのジャーナリストが苦慮しているのが分かる。多くの西側メディアはHTSの行軍に勇気付けられ、HTSを革命的反対派、アサド独裁政権に対する「反乱軍」とすら呼んでいる。私達もアサド政権の崩壊を望んでいるが、HTSとその「救済政府」は解放的解決策ではない。彼等の目的は、アサド王朝をシャリーア法とイスラム国家で置き換えることであり、タリバンがアフガニスタンで行ったことやイラン゠イスラム共和国が1979年以来行ってきたこととほとんど変わらない。私達はこんな未来を受け入れられないし、多くのシリア人も受け入れないだろう。

私達はロジャヴァのアナキスト・国際主義者として、こうした困難な時代に自らの役目を果たす。SDFと共に戦い、革命的プロジェクトを守り、広める。民主的連邦主義・多元主義・女性革命という諸原則が広く行き渡った無国家社会を構築するのである。私達は全てのアナキスト、他の革命勢力に呼び掛ける。これまで以上に、ロジャヴァを防衛しよう!

私達は、戦争が苦しみと破壊をもたらすと知っている。しかし、戦争はまた、準備を整えている人々に自由な生活の機会を開くこともできる。私達は、ISISに対する勝利がこの地で可能にしたことを見た。私達は、より良い未来に向けて戦い続ける準備ができている。何故なら、私達は廃墟を恐れないからだ!


複数の同志から以下の質問をいただいています:

革命を支援するために自分に何ができるでしょうか?

国境が封鎖されており、現在、北部・東部シリアへの渡航はできません。しかし、シリアで何が起こっているか知らせることはできます。例えば、記事を書く・インタビューをする・ポッドキャストを配信する・既存の連帯員会と連携して講演会やイベントを行うといったことです。

自分のいる地域で連帯デモがあったら、参加して支援しましょう!なかったとしても、あなたなら自分で始められるかもしれませんよ!

また、酷く困窮している人達への経済的支援もできます。現在の人道危機は重大で、配慮が必要だからです。ヘイヴァ゠ソール(赤新月社、英語のウェブサイトはこちらこちら)は既に活動している独立組織で、北部・東部シリアの戦争の影響を受けた人達を支援し、物資の提供をしています。

これで終わりではありません。連絡を取り合い、さらなる段階に備えましょう!