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炭素のATM(カーボン゠キャッシュ゠マシーン)

原文:https://freedomnews.org.uk/2023/08/12/the-carbon-cash-machine/
原文掲載日:2023年8月12日

(画像は 米国農務省森林局/パブリックドメイン)

コーポレート゠ウォッチ、気候犯罪・気候正義センター、ロンドン大学クイーン゠メアリー校が新しい報告書『カーボン゠キャッシュ゠マシーン』を公刊し、2015年12月にパリ協定が調印されて以来、英国の2大石油会社の株主の現金収入が劇的に増えていると明らかにした。

コーポレート゠ウォッチ気候犯罪・気候正義センター、ロンドン大学クイーン゠メアリー校が公刊した新しい報告書(*)によれば、気候変動による記録的な気温上昇食料価格高騰が続く中、BP(英国石油会社)とシェルの株主は過去最高レベルの現金収入を得ている。

報告書の共著者、コーポレート゠ウォッチのソフィーは次のように言う。「パリ協定以降、BPとシェルの大株主は収益力を3倍にしています。メディアは彼等のグリーンウォッシュを一言たりとも報道してはなりません。何故なら、仮に、彼等が気候変動に前向きな変化をもたらしていると本当に信じていたとしても、この報告書は徹底的に否定しているからです。」

報告書は財務データを独自に分析(*)し、2015年に調印されたパリ協定以降、英国の2大石油会社の株主が得た現金収入を算出している。その知見は以下の通りである:

・BPとシェルの株主達は、配当金と自社株買いを合わせて総額1310億ポンドを得ていた。
・BP株主の年間利益は3倍以上(240%増)、シェル株主の年間利益はほぼ3倍(194%増)。
・上位8社の株主企業は、BPとシェルの持ち株を大幅に拡大し、BPとシェル双方から現金利益として合計287億ポンドを荒稼ぎしている。

報告書は、BPとシェルの株主上位8社のESG(環境的社会的企業的ガバナンス)戦略についても分析している。これが提起しているのは、化石燃料処分戦略の失敗・気候変動への市場解決策の失敗に関する重大な疑義である。

報告書の共著者デイビッド゠ホワイトとロンドン大学クイーン゠メアリー校気候犯罪・気候正義センター所長は次のように述べていた。「世界が燃えているのに、株主は化石燃料への投資から記録的な現金収入を得ています。この報告書は示しています。金持ち投資家への金の流れをせき止めない限り、原油の流れはせき止められません。」

*『カーボン゠キャッシュ゠マシーン』報告書はこちら
*知見は、S&P Capital IQ database.が生成した財務データの独自分析に基づいている。

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