ネオファシズムは病理ではなく症状だ
原文:https://freedomnews.org.uk/2024/08/14/neo-fascism-a-symptom-not-the-disease/
原文掲載日:2024年8月14日
著者:ブレードランナー
白人多数派には根深いレイシズムと外国人嫌悪が根強く、それを映し出すように、疎外されたコミュニティで原理主義と憎悪が培われている。
急増するネオファシズムは単なる症状であり、病理そのものではない。これは新時代(始まりは植民地時代の大量虐殺、それに伴う「啓蒙主義」・産業革命だった)以降、あらゆる歴史的ファシズムの波で繰り返されている。そして今日、イスラム嫌悪と外国人嫌悪を推進している諸要因を理解するためには、何十年も続くグローバル国家資本主義の深刻な再構築を検証しなければならない。
大国とその手先の大企業は代理戦争を繰り広げ、同時に、自国の特権的市民の消費主義ライフスタイルを推進してきた。その結果、貧困・抑圧・戦争・虐殺から逃れ、先進国の幻の避難所に避難しようとする人々が絶え間なく流出している。前例のない大量強制退去の時代なのだ。
移民と難民は大抵、理想化された負け犬か見下された競争相手、つまり「他者」として描かれる。実際には、彼等は疎外された個々人で、限られた権利しか持たず・社会統合の見込みも薄く・完全な人間として認められない場合も多い。彼等は排除され、社会の片隅に存在し、約束の地からの追放を絶えず恐れている。
欧米社会は移民の波によって大きな変貌を遂げた。多文化主義を自称しているにもかかわらず、多様な民族と文化を社会に統合できなかった。マイノリティは管理された空間に追いやられ、支配的な白人集団と不安定な均衡を保ちながら共存している。
その結果、双方の水面下で鬱憤が煮えたぎり、幻滅した若者達が過激なウルトラナショナリスト集団に勧誘される可能性が煽られている。白人多数派には根深いレイシズムと外国人嫌悪が根強く、それを映し出すように、疎外されたコミュニティで原理主義と憎悪が培われている。全ての人に約束された自由主義ユートピアは依然として実現していない。
私達は何ができるのだろうか?ここで言える最も簡単なことは、強固な反ファシズム運動を構築しなければならない、というものだ。自発的抗議行動は不可欠だが、私達は歴史から学ばねばならない。過去の反ファシズムの勝利は、大抵、根底にある権力構造を無傷のままにしてきた。新興の民主国家は、その腹の中に蛇の卵を隠していた。議会政治の宮殿の中に、国際企業の中に、起業家とインフルエンサーという表面的「先進性」の中に。崩壊した社会運動と体制寄りの左派政党の中にも隠れ、非白人やクィアの特権という漠然とした理論の中でレイシズムと戯れていない時には、風車を追いかけたり、還元主義による嗜眠状態で夢遊したり、単一争点キャンペーンを追及したりしている。
真の意味ある反ファシズム行動とは、あらゆる出自・アイデンティティの人々が集まり、あらゆるコミュニティの空間を解放する方法を考案し、反ヒエラルキー型反権威主義社会運動を再構築し始めることである。そうすれば、別な存在方法を幾千も予示するだけでなく、確実に、蛇と卵を本来の居場所である穴の中に埋もれたままにさせられるだろう。