Botterという言葉が浸透し過ぎてないか
こんにちは、日本爆損防止委員会です。
当会は、ここ数年でにわかに盛り上がりを見せる株・暗号資産・FX等の金融取引により、取り返しのつかない爆損をしてしまう人を無くすことを目的とし、発信活動をしています。
前回の記事では、「爆損の原因の1つに裁量トレードがある。市場に長く参加したいならせめて自動売買にしておけ」ということで、auカブコム証券のkabuステーションAPIを使った自動売買の実装方法を解説しました。
この記事の目的は、裁量トレードで爆損する人を減らし、いわゆるbotterと呼ばれる人たちを増やすことでした。
和製英語
個人的なことで恐縮ですが、私はなぜか昔から英語を話すことに強い憧れがあり、大学生のときに英検1級を取得しました。その後、念願の海外へ学位留学しました
昨今は日本の国際的地位低下が著しく、読者の皆様におかれましても、お仕事などで英語などの外国語の取得の必要性を痛感されている方も多いのではないでしょうか
外国語の習得に近道はありませんが、1つ日常の中でできることとしては、自分が使っている言葉への感度を上げることです。日本語は、和製英語(じゃぱにーずいんぐりっしゅ)で溢れています
英語を話さないといけないときに、和製英語を使ってしまうと恥ずかしいですね
以下は有名は和製英語の例です
「コンセント」(英語: outlet)
「電子レンジ」(英語: microwave oven)
「ダンボール」(英語: cardboard)
…では「トレードを自動化している人」は?
英語でbotterだと思ってませんか??
基本は動詞 + er
「なんかerをつければなんでも人になるんやろ」みたいなふわっとした英語理解をしている人が多いように感じます。確かに英語では語尾にerがついて「〜する人」と名詞化することは事実です
名詞化する、という目的があるので、考えてみれば当たり前ですが、すでに名詞であるものにerがつくことはあまりないです
以下はよく知られているであろうerがつく名詞ですが
- Driver(運転手)
- Runner(走者)
- Singer(歌手)
いずれも「動詞」+ erになっていることがわかります
- Driver(drive + er = 運転する + 人)
- Runner(run + er = 走る + 人)
- Singer(sing + er = 歌う + 人)
ではBotterは…?
Botはコンピューターが発達した近代に生まれた比較的新しい言葉で、robot(ロボット)に由来します。robotは物理的な実体があるものですが、botは物理的な実体はなく、ソフトウェア設計に基づいて自動で何かの処理をするプログラムを意味することが多いです。
要はbotは名詞なのですね。なのでerがついてbotterとはならないし、botterと言っても海外の方には真意が正しく伝わらないと思います。
名詞 + erの例
「じゃあ名詞 + erは存在しないんか!?」と思われる方もいるでしょう。結論から言うと、存在します。以下が例です。
New Yorker(ニューヨークの人)
Londoner(ロンドンの人)
Berliner(ベルリンの人)
Banker(銀行員)
Farmer(農家)
基本的に「土地」+ erで、その土地に住んでいる人となるケースが多いです。土地があると、そこに住む人が連想されるわけで、その人をどう呼んだらいいのかというと、じゃあ「土地」+ erで呼ぼうぜとなったわけです
BankやFarmも似たようなニュアンスですね。いずれも動詞はあるわけですが、Bank(銀行)やFarm(農場)を土地みたいなものだと考えて、そこで働く人たちをなんて呼ぼうか、と考えると、おんなじようにerをつけて「そこにいる人」を表現しているわけですね
じゃあBotは土地的なものなんでしょうか。Botterと呼ばれている人たちは、その物理的実体のないソフトウェアの中で働いている電子生命体的な何かなんでしょうか。そうだったらすみません、この記事のことは忘れてください。
じゃあBotterは英語で何て言うのか
このあたりではないかと
quant(数学的要素を用いている専門職なら)
algorithmic trader(アルゴリズムを使ってトレードしているなら)
bot developer(Botを開発しているなら。これが汎用的そう)
trading bot creator(同上)
もっといい英訳があるかもしれません。見つけたら教えてください。
最後になりますが、この記事は「botterは和製英語だから使うのをやめよう」と主張しているわけではないです。私が友人の家に行って、「スマホ充電したいんやけど、outlet借りていい?」と言っても「は?」となるように、広く市民権を得た和製英語はもう日本語です。日本語として使うのであれば全然良いと思います。
ただ、英語として使っているのであれば、それはちょっと違いますよというのを意識しておくと、海外の人と"botter"について話すときもスムーズかなと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。皆さんが爆損なく人生を謳歌できますことを心より願っております。