2024/07/26 1番目に安くてうまいのは
ストレス社会で生きる皆さま、こんにちは。いやはやストレスストレス。ストレスを売ることができれば億万長者である。
さあて、今日は事務所のネタ見せの日である。昨日はずっと起きていて、5時ころに横になり、2時間ほど眠って起きたはずだ。
11:00に事務所に着くから、その前に練習もしないといけない。9時前に家を出ようと考えてこの高速な足運びだ。田川くんに台本を送って、9:50頃に集まろうかと伝えた。
風呂に入って、服を着て、さあ家を出ようと思ったところで田川くんから連絡があった。今日は13:50からだっせ、とのこと。
あちゃちゃちゃ。そうであった。7月の事務所ライブを休んだため、自動的に出演ライブが決まっており、決まっている人は13:50集合なのだ。あちゃちゃちゃと思って、集合時間を変更の上、私は床に就き、もう2時間ほど眠った。2時間睡眠よりも4時間睡眠の方が圧倒的に頭がすっきりする。
いまとても当然のことを言った。
再度支度して家を出る。暑くて暑くてたまらない。とんでもない量の汗が出る。自慢じゃないが(本当に自慢じゃないが)私は汗の量に自信がある。体型もさることながら、普段から辛いものばかり食べており、さらに運動もやる。そのうえウーバーイーツで灼熱の中を走り回る。汗を分泌する汗腺がフル稼働なのだ。
コンビ組み立てのころ、ちょうど夏場だったから「夏は暑い」というテーマで漫才を作った。そのときのボケに「暑すぎて毛穴が開きまくっている。この前なんか開きすぎて地面が見えた。」というのがあった。良いボケだな。どっかでやろうかな。
コンクリートジャングルを歩いて公園に着く。大汗をぬぐってから漫才の練習をする。へいへいほー。
事務所へ向かう道中、フーセンつばめの吉田さんがぼーっと立っていた。白田さんが連絡の無いまま到着しないらしい。そりゃあいかん。その後、事務所の集合時間ギリギリに到着する。遅刻しなかっただけ良かった。
今日のメンバーは各々、出るライブが決まっているからか異常な緊張感と言うのは無かった。無いからこそ、最近どうやねんという話しをわりとできた気がする。
そんななか、先ほどの集合時間騒動のあったフーセンつばめさんの抱える何とも言えない感じが面白かった。いや、ゲラゲラと笑う面白さではなく、人間交差点というか黄昏流星群というか、ママレードボーイというか。人間が二人いれば社会ができると言うが(言うっけ?)、入り組んだ社会がそこにはあった。探偵ナイトスクープのオープニングで西田局長が「入り組んだ現代社会に鋭くメスを入れる」と言っていた(松本局長も言っていたっけ)。
探偵さんに仲介していただきたいほどの渦巻くものが見えた。この渦巻と対峙した時にいい漫才ができるようになるんじゃないかと思った。伸びしろがそこにあるとわかっていても手を付けづらい感覚はよ~~~くわかる!何を偉そうに。
15時頃に解散して、さてどうしようかなと思う。久しぶりに外で昼ご飯を食べようかしらと駅の方をぐるぐる歩いてみたが、おいしそうなお店はランチタイム営業をやっていなかった。まあいいかと帰宅電車に乗る。
電車の中で、よし日高屋にしようと考えつく。日高屋の気分だ。電車で座ることができたから、スマホで日高屋のメニューを見て作戦を練る。
この後は働く気が無いので酒を飲みたいなと思う。日高屋で一番安い飲み物はホッピーセットで中をおかわりしまくるというものだ。ホッピーセットが450円で、中は250円。居酒屋と比べれば安いと言える。居酒屋で煩わしい席料もない。安い。
座ってじっくり考えていると、日高屋は居酒屋に行くよりも安いけども、やっぱりスーパーで買ったほうが安いじゃないか。うん。やめた!日高屋やめた!だって私は料理をするのも苦じゃないし、お金も安いなら家が良いな。そうそうそうだ。
帰りにまいばすけっとで500ml150円+税の第三のビール、バーリアルを買って家でさっそく飲む。十分美味いしお店の半額だ。これは誤りではなかったんだ。
私はいろいろな店で、リアル激安飲食をたくさん見つけてきた。でも分かったのは家で食べるのが一番安いんだ。味についてはそれぞれで、この店で食べるなら自分で作ったほうがおいしいなというところもときたまある。
ちょっと思い出したことがあるからその話をして今日は終わる。
広島県民の認知度ほぼ100%のローカルCMがある。広島にはテレビ新広島(TSS)という局がある。そのTSSで流れるCMに「TSS 味なプレゼント」というものがある。県民なら「味なプレゼント」と聞いただけで、女性の高音域のボイスで「あたりまーーーーーーーーーす!10000円の食事けえええええん!ぴょ~ろ~♪」というのが脳内で自動再生される。
このCMでは、はがきに住所や氏名、番組の感想なんかを書いて送れば、CM内で紹介された飲食店での10000円分の食事券が抽選で貰えるということらしい。
ややこしい要素がたくさんあるが辛抱強く話す。このCMを今もやっているのかわからないが、私が広島に住んでいた18歳までの間はずっとやっていた。そして小さなころから紹介しているお店が数点を順繰りにずっと紹介されているようだった。明らかに古い映像で、撮影当時ですでにおじさんの職人が店と料理を紹介していた。これに出ている人は確実に死んでいるのだろうなという様子。おそらくは私が生まれるもっと前からやっている。
そして、このCMの中で酔心というお店が紹介されていた。広島における酔心とはなかなか歴史ある、良いお店である。お祝いなんかで行ったりする。店の雰囲気からして、結婚挨拶なんかでも使うだろう。なんとなく伝わっただろうか。日常的に行くには高いが、べらぼうに高いわけでもないという感じだ。
さらに酔心は調理専門学校も運営しており、広島の食文化を支えていると言っても過言ではない。
ようやっと本題に入る。このCMは店の人へのインタビュー形式である。
30秒の中で「一言どうぞ」「自慢の料理は?」この2問が出題される。推進の料理人がこの「一言どうぞ」について「広島で、2番目に安うて、うまい店」とコメントする。これにずっと納得がいっていない。
幼稚園の時分から納得がいっていない。あまりに納得がいかないから母に聞いたことがある。母曰く「家でのごはんが一番安くて、美味しいってことじゃない」とのこと。うーん。納得いっていない。
言われてみれば確かにそうであるとなんとなく分かる。でも、本当のことはわからない。本人がそう言っていないから。
2番目に安い。確かに買い物へ行って自分で料理したほうが安い。でも、酔心よりもバーミヤンの方が安い。ガストの方が安い。
もちろん「こだわりの食材を用いたうえで」という前提条件があるだろう。でも、それで言えば家のごはんはそこまで食材にこだわっていない。金額だけで言えば安い店はいくつもある。
続いて、うまい店について。家の方がうまいというのはなんとなく、言っておけばいい人のような気がする。テレビで話すならそれくらいのおべんちゃらは許されよう。ただ、酔心は和食、魚料理がメインだ。和食、中華、フレンチ、様々な国籍の料理があろうが、どれもおいしいし、日によって食べたいものが変わる。酔心で仮に中華料理を出してみても、バーミヤンの方が中華に対するこだわりは強かろう。じゃあ中華料理対決なら「2番目に美味い」と言うことができるか。いや、それではテレビで「(例えば中華料理なら)家のごはんよりもバーミヤンと酔心の方がうまい。家のごはんは頑張っても第3位である」と言っていることになる。ならない。
これは良くない。
もっと言えば「広島で」というのをつけるのも変である。どこに忖度しているのか。
では「広島で、2番目に安うて、うまい店」を推敲するならば。
「田舎の広島じゃあ大したものは食べられません。うちももれなく大したことが無いのです。そんな、あんまり美味しいものがない広島において、しょうもない食材ばかりの中で多少食べられるものを集めてきました。それを使った料理の中では、もちろんご家族で作って食べるものの方がよかろうが、せめて2番目に美味しくなるように頑張りました。お値段についても、そのそこそこ頑張って集めた食材で作っている割には、安くできてるんじゃないかなと思います。でも大したことは無いです。家でご飯を食べるのが一番安くて美味しくできますね。うちは大したことありません。」
というべきである。いや、いわなくてもいいや。
今日面白いと思ったことは「でも、日高屋の中華そばは初めて食べた時に感動したから、日高屋は、中華そばなら東京で1番目に安うて美味い店だ。」