2024/12/28 はさみと頭皮のふみコミュニティ
今日は9時に目が覚めた。今日からはちょっと出て良いものと解釈している。
かといって、ばしばし動き回るのはさすがにNGである。「病み上がり」という言葉がこの世にあって、市民権を得ている。数日病欠した人が職場へ復帰した時に、その人にかける常とう句と言えば「大丈夫だった?まあ病み上がりだし、無理ない範囲でね」だ。病み上がりは確かに存在していると言える。
そろそろ髪の毛を切らなければいけない。完全に回復してからは予定がつまりにつまっている。ウーバーから漫才からやることがてんこもり。
では、ちょっと体が動かせる今日やることは髪を切るに限る。皆さんがご存じの通り、この年末の理髪店の混雑と来たら相当なものだ。
皆さん、なんの因果か年末にはみんな髪の毛を切りたがる。何度も私はここで熱弁してきた。東京都民は約1400万人。人間の髪の毛は一か月で1cm伸びるとされる。であれば140km×髪の毛の本数だけ東京で髪の毛が発生していることになる。どう考えても東京には理髪店が少ない。
南千住のQBハウスへ向かう。ここは南千住中の髪が伸びた人が集まる。10時に開店するから9:50くらいには到着できるように動いた。
駐輪場へ向かう道中からQBが見える。ああ、すでに10名くらいは並んでいる。すげえ。
まあ、今日はやることはこれくらいのもんだから多少は待とう。
駐輪してQBに向かうと、小さな男の子が走って私を追い越していった。息子をおっかけてお父さんがいく。二人は二人してQBへ並んで行った。私の前にいたおじいさんもQBにならんだ。ええ!こんなに人気があるんだ。
目の前でじゃんじゃん増えて、逆に並ぶ気が失せた。なんだかここまで必死になってQBへ行くのも情けないなと思ってしまった。私はQBに向かわずダイソーに入ってしまった。ああもう帰っちゃおうかななんて思いながら、バイク整備用の道具なんかを買った。
帰ろうかなあと思ったが、覚悟を決めて入ることにした。
3名の理髪師の方が対応している。待ち席には10名程度が座っている。
腰かけて、理容師の方の姿を見る。明らかに手練れというか、仙人というか、髪の毛を切る達人が3人いる。
私はQBで幾度となく髪の毛を切ってきた。その中で、達人はあまり現れない。もちろん手には覚えのある皆さんが働かれている。資格を持った上に、QBという10分程度で仕上げる現場では1日に何名の髪の毛を切って腕を鍛えているのか。私はQBで変な髪型にしやがったなということは一度もない。
そんな中、今日は明らかにそのいつもの理容師さんを超えている。纏う気配が違う。3名ともおじさんだが、白髪交じりのロン毛の人、坊主に近い短髪のおじさん×2。
見掛け倒しではない。この3人は確かな仕事人で、なんと3席がまったくの同時に仕上がる。「お疲れさまでした~」で3人の客が同時に席を立つ。格安カット専門店では理髪の腕も重要だが、どれだけ回転効率を上げるかも重要だ。そんな中、3人は時間の管理もプロフェッショナル。
恐らく、都内各所のQBカットの中でも混雑しがちな南千住店に、QB屈指の名手が集まった。
数十分座って待てば、私の番である。確かな腕である。私の超剛毛、超毛量。いくら手練れとはいえ、若干の困惑はそのはさみから感じることはできた。しかし確実に丁寧に切っていく。私の髪の毛と正対して向き合っては敵わないと判断したのだろう。普段よりもかける時間を短くするのを優先したのだろう。切り終わった髪型は文句なしに切ったなと思えるが、いつもよりも長めに切ってあった。なるほど。時間をかけすぎない方法は長めに仕上げるということだな。私のような髪型にこだわりが無い客にはそれがいいだろう。まいりました。
帰宅してようやっと勇気を出してM-1を見た。いやはやめちゃくちゃ面白いですね。もう腹が立つくらい面白いです。日本一の漫才やなあと私の中の関西人が言いましたわ。夢の入り口やん。
そんな一日だった。
今日面白いと思ったことは「理容師の方とは、はさみと頭皮を通してコミュニケーションができる。」