2025/01/01 狩人になりたい
いよいよ日記においても新年を迎えることができた。
新年がなぜめでたいのかといえば、年神様というのがいらっしゃって、お迎えするのが新年がめでたい理由らしい。
我が実家にも年神様をお迎えする神棚がありまして、大晦日にはそちらで合掌することがならわしだった。
この合掌の儀はだいたい19時ころに行われる。一時期の私は、ガキの使いやあらへんでの「笑ってはいけない」が見たいあまりにこれに反対運動を起こしたことがある。
それも10歳だとか15歳ならかわいいものだ。四国遍路を終えてすっかり真言宗派に没入した23歳くらいのときにレジスタンスを起こしていたのだから笑えない。
あのときの私はどうかしていた。今ならわかるが、空海様は決して神道を否定されていない(たぶん)。私は「ガキの使い」が見たいあまりに空海様を家庭内において悪者にしてしまったのだ。真の言葉を追求するには未熟者であったと言えよう。お恥ずかしい限りだ。
そんな思い出話はこれくらいにして、日記を書いていこう。
大晦日の昨晩はうじうじと眠られず、なんとなく4:30頃に床についた。起きたのは5:45ころ。1時間位しか眠っていない。すでに鉄道の席を予約しているんだから、嫌でも起きなければならない。
起きてから電車の中で食べる食事を用意して、6:30くらいには家を出る。
秋葉原から中央総武線だかに乗り換えて新宿に降り立つ。孤独のグルメの劇場公開でやたらと松重豊さんの顔がたくさん映し出されている新宿駅の中を抜けて12番線ホームへ。
7:30ちょうどのあずさ3号で私は私は東京から旅立ちます。
今年の正月の大型散歩は、長野県松本市を舞台に歩き回ることに決めた。別に理由はないが松本だ。
これって東京の人には分かりづらい感覚だろうが、西の人間からして長野県を散歩するのってとてもかっこいい。西の人間は普通に生きていて長野県へいくことなんかない。どうせ東に行くのなら、東京で観光をしてしまう。あえての長野、岐阜は東京人にしかできない行為なのだ。
あずさに乗って松本についた。ここが松本か。田舎だなあ。遠くに見える南アルプス山々は白い帽子を被っていて、その厚着がむしろ寒々しさを演出している。お!詩的な表現。
10:30ころに松本へ到着してしまった。東洋コインのチェックインは15時から。何をしようかなと思いながら、東横インへ荷物を預ける。
ひとまず目に見えた気になるものを見に行く。
松本の目抜き通りの先に大きな壁のようなものが見えたから、それに向かって歩いていく。結果的にそれはなんらかの文化会館のようなものだった。そこに向かう途中に大きな神社があって深志神社という大きめな神社があった。初詣に訪れる人々で溢れかえっており、この姿を見て果たして日本人は無宗教であるという言説は嘘であると思わざるを得なかった。
そこからずんずんと歩いて、松本市美術館についた。美術館の周りは赤と白のぼつぼつがあたり一面にある。そう。松本市はどうやら草間彌生氏の故郷とのことらしい。これがまあ、私の感性から言えばどう見ても趣味が悪い。なぜ草間彌生氏は評価されているのか私にはイマイチ理解できなかった。
彼女に対する評価はアートの中でもどのタイプの評価なのだろう。
美術にうとい私でも、ピカソとフェルメールとキース・ヘリング氏がそれぞれに違う技法で表現をしようと思ったことくらいはわかる。
草間彌生氏はあの水玉で何を表しているのか、美術館前のやたらと気持ちの悪いパックンフラワーのようなオブジェは何を表しているのか。美術の中でどういうジャンルなのか。教えておくれ。
そうしてグラグラと歩いていたら、今度は森のようなものがあったからそこに向かってずんずんと進んでいく。あがたの森というよくわからないが歴史のありそうな公園に着いた。あがたの森。実況パワフルプロ野球というゲームであばたという選手がいた。確かあばたボールという鋭く落ちるフォーク系の変化球を持っていたはずだ。
しかし見た目がかっこよくないおじさんキャラクターだったので人気がなかったと記憶している。猪狩守、猪狩進の方が人気だった。
しかしあばたは関係ないあがたの森。古い学校の校舎なんかが展示されており、平時は自由に見学できるっぽい。
残念ながらお正月は鍵がかけられて見学ができなかった。
大きめの公園をグルっと回って出てくる。すぐ近くに巨大なイオンがあるから、そこも見てみる。とんでもない数の人が押し寄せていた。私は、イオンなんかに集まっちゃってさ!と少々小馬鹿にした感覚を持った。
しかし、これにはしっぺ返しがある。
イオンをあとにして、いよいよ松本城を見に行く。松本と言えば松本城。ちょうど先日、BSをパラパラと見ていたら何十年かまえの刑事モノのスペシャルドラマが再放送されていた。そこの舞台が松本で、松本城がどでかく映し出されていた。タイトルも何も分からないドラマの聖地巡礼だ。
城の中に入るにはチケットを買って並ぶ必要があるが、入城までに30分と城内見学が50分ほどと掲示されていた。
さすがにそこまでの情熱はない。なんならちょっと眠たいのでホテルに入って昼寝をしたい。
お掘りやらの公演部分をぐるぐる歩いてホテルへ向かう。ホテルのチェックインは15時。現在は14時くらい。
時間がまだ余っているから、軽く食事をしようと思いながら歩く。
長野といえば信州そばではないか。グーグルマップでそば屋を調べる。調べたお店が軒並み年始休業中。どこかやっている店はないかと歩いたが、マクドナルドに松屋、磯丸水産しかない。他のお店は休業中かお昼休憩に入っている。
じゃあスーパーで何か買ってロビーで食べるかとスーパーに行ったら閉まっていた。
さきほどイオンに松本市民が全員集まっていたのは、イオンしか営業していないからだったのだ。イオンまでは30分かかる。
さすがに今から30分歩いて30分かけて戻ってくるのはつらい。やられた。
うだうだとして15時になった。15時になったらホテルのすぐ向かいのお店が開店したからちょっと行ってみる。
「つなぐ横丁」というお店で、広い建物内に十軒あまりの飲食店が屋台のようにやっているという珍しいお店だ。
入店と同時に各お店から「いらっしゃーせー!!!」「たこ焼きのお店でーす!」「もつでーす!」などと大きな声をかけられる。
客の奪い合いの中でとてもプレッシャーを感じながら、各お店のメニューを見る。
うん。とても高いお店はないが、普段私が行くような、ハイボールが一杯100〜300円みたいな価格ではない。500円位する。いやあ、高いなあと思いつつ、一番安いお店の博多料理の店に入った。お酒が3杯で1000円だ。いいじゃない。
酢もつと鉄板餃子を頂戴した。これがとてもおいしかった。酢もつについている柚子胡椒が市販のものより辛味が強くて美味い。うんうん。ビールと黒霧島の水割りを2杯飲んでフィニッシュ。いやあ美味かった。
ただ、わざわざ松本で食べるものではなかったな。
でも美味かったから良いや。日本人は旅行でせかせかしすぎているとよく聞く。木梨憲武さんや有吉弘行さんなんかはハワイに行くとホテルで横になるらしい。それが本当の旅行人の過ごし方である。休みに旅行へ行って疲れるなんて、何しに行ってんだてことだ。
食べ終わったらホテルへチェックインして、風呂に入ってすーっと眠る。起きたら18時だったからまた歩いて松本城へ行く。夜にはプロジェクションマッピングのイベントをやっていると噂を聞いたからだ。
うーん。プロジェクションマッピング。面白さは正直よくわからなかった。要はパワポを映すやつをホワイトボードや白幕ではなくて城に映しただけだもの。
また歩いてホテルに戻って、コンビニで買ったお酒を飲んだ。この時間が一番楽しいかもしれない。私は東横インが大好きだから、東横インにいることが嬉しいのだ。
へとへとになったし明日も早いから、23時には眠った。お疲れ様でした。
今日面白いと思ったことは「プロジェクションマッピングを見ながらプロスピをやってしまった。楽しさでいえばプロスピの勝ち。」