Death end re;Quest Code Zというゲームについて
この度、Death end re;Quest Code Z(デスエンドリクエストコードZ)(以下、デスリクZ)をクリアしたので思ったことを書き殴ります。
そもそも、デスエンドリクエストとは?
"デスエンド"の名を冠す通り、シリーズを通して死亡エンド、ゲームオーバーが作り込まれたRPGである。
1作目はゲーム自体が非常に難しい。2作目は1作目のシステムを踏襲しつつ遊びやすく調整された。
デスリクZは現在開発中とされるシリーズナンバリングタイトル「3」へつながる物語として、スピンオフ作品のような位置づけの作品である。
スピンオフ作品なのでゲームジャンルがこれまでと違いローグライクRPG、わかりやすく言うと風来のシレン等でおなじみとなった不思議のダンジョンだ。
コードZのタイトルから察しが付くと思うが、デスリクZはCERO『Z』、18歳以上じゃないとプレイができない。
そのため、ナンバリング2作品以上にエグいデスエンドシナリオが描かえる。
死亡要因となったモンスターの種類、トラップの種類、更に同伴の仲間の有無でスチルつきで直接的な死亡描写がされるし、ゲーム開始時からヒロインが衣服がボロボロになってほぼ全裸の状態だの、右腕がちぎれるだのがスチルつきで流される。
どんなデスエンドが見られるかのサンプルが公式サイトで閲覧できるのでそちらをご確認いただきたい。
過去作ではここまで直接的なスチルが挿入されなかったためデスリクZの本気さがうかがえる。
さて、ローグライクRPGとなったデスリクZだが、不思議のダンジョンとして見ると無い無い尽くしの異色の作品だと思う。
私自身、不思議のダンジョン系は不思議の幻想郷シリーズを嗜みそれなりに知識はあり、デスリクZが推しシリーズ作品であると同時に不思議のダンジョン系であるため購入即決だったが、不思議のダンジョンとしてみると正直キツイと思った。
※不思議の幻想郷
東方Projectの二次創作ゲーム。元々は同人ゲームとして発売されていた。風来のシレンの影響を大きく受けた作りとなっている。
デスリクZの無い無い尽くしを語る前にまずこのゲームならではの良いところから語りたい
デスリクZ良かったところ
帰るまでがダンジョンである
ローグライクRPGってダンジョンの最下層にいるボスを倒してダンジョンクリアが一般的だと思う。デスリクZでもシナリオ上そういう構造のダンジョンがあるがそっちはオマケ。
メインのダンジョンは最下層でボスを倒すまでは一緒だが、倒して囚われたヒロインを救助して来た道を戻って脱出するまでがダンジョンである。
救助したヒロインは直接戦闘は行わないがキャラ毎に持った特技で主人公を援護してくれるので帰りは比較的楽だし、随所に設けられた脱出ポイントを使えば1階まで戻ってこずともクリアできる。
…帰りが楽なんてそんなうまい話はあるわけはなく、フロアには主人公とヒロインを狙う強敵がスポーンすることがある。
当たり前のように1ターン2回行動するし、通常攻撃は長射程の攻撃である。
更に脱出ポイントを優先的に破壊してくる。破壊されると当然使えなくなるため、別のフロアの脱出ポイントまで行くか諦めて自力で1階まで帰ることになる。
敵毎に行動パターンがあるようで、その中でも一際強い敵はどれだけ離れていようが最短ルートこちらに向かってくる脅威の追跡能力を持つ。
初心者も安心のレベルリセットなし
ローグライクRPGを遊んだことある人なら「は?」と思うかもしれない。
自分も「は?」となったが、考えて見れば初心者にはありがたいことこの上ない。
もちろん、難易度の変更でレベルリセットを有りにすることは可能なので安心して欲しい。ダンジョン攻略中以外なら好きなタイミングで難易度は変えられる。
硬派なローグライクオタクには「レベルリセットないのはありえない」と思うだろうが、この仕様がゲーム的にはとても大事である。なぜ大事なのかは実際にプレイして確認して欲しい。
死は救済!?デスエンドスキルツリーシステム
デスリクZにもスキルツリーシステムが導入され主人公を強化できる。
スキルツリーをー開放するための条件なのだが…
ゲームオーバー=死亡 時の未視聴のイベントスチルを見ることで開放に必要なポイントを入手できる。
なんとも物騒な条件であるが、言い換えれば死んでも再戦するときは前回よりも強い状態であるため立派な救済処置である。
死ぬことが条件なので『悪趣味』と捉えられても仕方ないが、過去作でもイベントで死亡した場合、通常プレイでは手に入らない強力な装備アイテムが手に入るのが通例のためそれにあやかった仕様である。
無い無い尽くしのローグライクRPG!?
防具、お守りがない
1発目から信じられない内容かもしれないが、本当にないです。防御力は武器が内包しています。
武器に関しても一般的なローグライクRPGに比べると特殊で、ボス撃破後に入手という方式である。その特殊な方式上、死亡しても武器はロストしない。その代わりに武器の強化内容がリセットされるという仕組みでロストの代用としている。
アイテムが投げられない
いらないアイテムは極小ダメージだとしても飛び道具として敵にぶつけたり、中身が取り出せない壺の中身を取り出すために壁に投げたりするのは誰もが通る道。
だが、デスリクZは違う。投げられない。本当に投げられない。後述する飛び道具に関する無い無い事情もあって凶悪な無い仕様である。
常用できる飛び道具がない
風来のシレンで言う弓矢、不思議の幻想郷でいう弾幕のようなコストがあれば好きなタイミングで使える飛び道具が存在しない。原則モンスターとは殴り合うしかない。
通常攻撃で1確で倒せないモンスターに対して飛び道具で削ってから倒すなんて甘えはない。
自らは絶対に動かず、隣接したプレイヤーに移動禁止のデバフをかけてどちらかが死ぬまで戦いを強要するモンスターもいるにも関わらず飛び道具がないのである。
アイテムを入れるアイテムがない
風来のシレンで言う壺、不思議の幻想郷でいうスキマに相当するアイテムがない。アイテム欄は常にかつかつである。所持数自体はゲームを進行に応じて増加するのだが、それでもかつかつである。
お金が落ちていない
お金の概念はあるのにダンジョンで一切落ちていない。現実と同じである…
お金はゲームの進行に応じてまとまった金額を入手できる機会があるが、それ以外だと原則アイテムを売るしか無い。
高額な換金アイテムを売ればまとまった収入が入るが、前述したアイテム事情もあり換金アイテムが拾えない、または捨てざるを得ない状況が多発するのでまともに稼げない。
ダンジョンにお店がない
当たり前のようにダンジョン内にお店が現れない。それに伴い泥棒もできない。
未識別アイテムがない
99階ダンジョンがあるらしいが、未識別アイテムなんてものありません。
そもそも呪いの装備品やデメリットしか無いアイテムが存在しないため未識別アイテムがあっても意味がない。
総じて
ローグライクRPGもとい不思議のダンジョンとしては本当に異例の無い無い尽くしで正直プレイするのがキツかった。
発売当初、ゲームに対してキツめの感想が散見されたが、ローグライクRPGとして評価すればまあ納得である。できないことが多すぎて「これ本当にローグライクRPGか!?」って何度も言ってプレイしてた。
死は救済と評したデスエンドスキルツリーも、不思議のダンジョンを嗜んだプレイヤーはノーデスでエンディングを見ることが可能である難易度のため人によっては無用の長物だったかもしれない。
現に自分が一度も死なずにクリアしてしまった。
デスエンドリクエストシリーズを知っていればニヤリとなるネタが多く仕込まれているでシリーズを遊んだことある人には是非遊んで欲しい。
不思議のダンジョンが遊びたいと思って購入すると痛い目を見る。
逆に、不思議のダンジョンを遊んだことがない人には入門作品としてやってみるのもありかもしれない。