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「野暮なこと」が通じない…

新語流行語大賞のノミネートが出たというので、見てみました。わからない単語がいくつかありました。

毎年なのですが、これはいわゆる集団語(隠語)で、一部の人たちの間だけで流行しているんじゃないのかな?と思う単語が入ります。それだけ、今の日本の社会が、複数のグループでそれぞれに「閉じた」文化圏を形成している、ということでしょうか。

いや、そんな難しい問題ではなく、単に世代差だよ、というご意見もあるかもしれません。たしかに、もう50代後半で、言語調査されたら「老年層」と言われそうな年齢になっていますので、若い世代のことばに、置いてきぼりになっているだけかもしれません。

ことばの世代差はよく感じます。先日も、若い人に、注意したほうがいいな、これは、という場面があって、「そんな野暮なこと言っちゃいけないよ」と笑いながら軽くアドバイスをしたところ、「は?」という顔をされ(マスクで顔が半分隠れていても、「は?」は伝わりますね)、いきなりスマホで調べられました(目の前の私に聞き返すのではなく、スマホで調べるんだ、というのも、なかなか衝撃でしたが…)。そして、遅れてリアクションが…ちょっと変な空気感になってしまいました。

そうかあ、「野暮」ってもう死語なんですね、さらに、「そんな野暮なこと言っちゃいけないよ」というフレーズ全体の持つ、遠回しにやんわりと注意しているというこちらの配慮は、もっと伝わっていなかったでしょうね。このnoteを読んでくださっている若い世代のみなさん、やっぱりわかりませんか?

ということは、その対義語である「粋な」なんていうのは、さらにわからないのでしょうね。

新しい言葉が生まれ、古い言葉が去っていく、それは言葉の宿命ですし、流れに身を任せているのが、正しいあり方でしょう。「きみたち、野暮という言葉も知らんのか」と声を荒立てるのは、それこそ野暮というものですよね。