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「焼き増し」って何ですか?

昭和のころ、何か行事が終わると、ポケットアルバム(現像をお願いした写真屋でもらえる)に入った写真と、紙が回ってきました。
写真には番号がついていて、紙には番号がずらっと並んでいる。自分が欲しい写真の番号の隣に、自分の名前を書き込んでいく。
「焼き増し」注文の光景です。

自分が写っている写真を頼むのが基本。
思い返せば、あのころの写真というのは、人ばかりを写していました。
レンズを向けると、人が集まってきて、笑って、パチリ。
風景はあくまでも「背景」扱い。
修学旅行で、いろんな友達のカメラの前に立ってポーズを取ってしまうと、帰ってから恐ろしい数の「焼き増し」を注文することになって後悔したり。

気になる異性の写真がほしいなあ、でも自分はこの写真には写っていないなあ、というときは、作戦が必要でした。
みんなにばれないように、こっそり注文するには…
作戦1)いっしょに写りこんでいる友達に協力を依頼。
作戦2)「焼き増し」申し込みの紙には書かずに、カメラの主に直接口頭でお願い。
こうやって知恵を絞っても、どこかから情報は漏洩し、「〇〇、△△のこと、好きらしいぞ」と噂になったのはなぜでしょう。

そんな「焼き増し」文化も、写真のデジタル化によってすっかり姿を消しました。そして「焼き増し」という言葉も若い世代には通じないようです。

ポケットアルバムと紙が回ってくるときのワクワク感、そして注文した写真(ルーズリーフで包んで名前と枚数を書いて配るのが定番)を受け取ったときのドキドキ感。若い世代にも教えてあげたいと思う昭和人です。

「焼き増し」という言葉を知っていますか?
「焼き増し」の思い出はありますか?
またお時間があれば教えてください。