わかってないよねぇ〜って、言われた気がした
俺の愛車は、スズキの『スペーシアベース』という軽貨物車だ。
年末に初めての車検を迎える。
元々はワゴンRに乗っていたのだが、運が良かったのか悪かったのか、スペーシアベースのパンフレットを知り合いの販売店で貰った1週間後に、追突事故を貰って一撃廃車。
廃車の手続きをしている内になし崩し的に契約した。
ネットで車名の検索をすると、必ずと言って良い程にホンダのN-VANやキャブオーバーの軽バンと比べられている。
そして必ず『積載量が〜』とか、『車中泊には向いてないし〜』とか、なんか色々と言われている。
別に、その意見が気に入らない訳では無い。
というか、その通りだ。仰る通りだ。
荷物積むなら絶対に軽トラや軽キャブバンを買えばいい。
車中泊するならキャンピングカーを買えば快適だろう。
でも、『そうじゃないんだよ』と思う。
スペーシアベースは登録上『貨物車』なので税金や保険等は乗用車とは異なるのだが、色々な収納に『マルチボード』という、机にも棚にも仕切りにもベッドにもなる頑丈な板が付いている。
何なら、リアシートを倒してマルチボードを上段に固定するとデスクになるし、車の外でも絶妙なボードの高さで思わず関心してしまう。
他にも貨物車と言うには豪華な装備が付いていて、どう見ても『遊びに使いなされ』としか思えない。
振り返ってみるとスズキの軽貨物車は、息の長いキャリイとエブリイ先輩以外は曲者揃いだったと思う。
コスパに注力して、あえて貨物車にした
初代アルト。
ピックアップスタイルで人気を博した、
マイティボーイ。
奇抜なルックスで記憶に残る、
アルトウォークスルーバン。
そして軽さで走り屋に目をつけられ
魔改造されがちなアルトバン。
スペックで見れば、完全な貨物車に劣るであろう車両達だが、どれもスズキが『ユーザーを楽しませる』為に生み出している様にしか思えない。
画面や書類だけを見て比べるだけでは、ダメなのだと思った。
そして楽しめる手筈が揃っているのならば、
お望み通りに楽しまなくてはダメなのだと感じた。
ふと、『わかってないよねぇ〜』って言われた様な気がした。
愛車のスペーシアベースに。
度々、『スペーシアベースを買って正解だったのか』と少し後悔する事もあった。
しかし“そこに気がついた”瞬間に、昔の自分が少しだけ救われた様な気がした。
いや、車が喋るわけないじゃん…。そうだよな?
幻聴が聴こえるなんて、ちょっと疲れているのかもしれない。
今日は早く寝よう。