東京の生活史 岸政彦 著 読書メモ
尊敬してる元上司と1on1していた時に上司の興味のある分野として紹介してもらっていた「生活史」という領域。
あまりにもボリュームのある本だったので手をつけるか悩んでたけど、思い切って読んだ。
東京という街に所縁のある方の人生語りをそのまま掲載し続けるというもので、この本は2500ページ弱という大長編。
一冊でこんなページ数のものは、多分初めてなので(文字の大きなハリポタの単行本で多めのやつでも一冊、上巻とかで600-700くらいだったような?)めちゃくちゃ時間かかった。
1ヶ月半くらい、ちょこちょこと読み進めていた感じ。多分、通しで読むものでもないんだろうけど、取っ掛かりのある本でもないのでぶっ通しで読んだ。
読んでる中で様々な人の人生を読めて、なんか人生っていろいろあって然るべきなんだなと凄く思った。
あえて、オーソドックスと言われるような地方の上流寄りの家庭で育って進学で上京して大企業に就職のようなライフコースは全く出てこなかった。
結局の幸せとは...なんて考えちゃう年頃なので、めちゃくちゃ参考になった。
今日もたまたまTwitterで見た月見関係のキャンペーンに対して、今もう中秋の名月とか言って月見てる人居なそうというのを見かけた。
結局、そういう余裕を失ってしまってるんだよなぁなんて共感してしまって、この生活史でも感じる所だなと思った。
やはり、戦後の様々な好景気やら、思想の氾濫のようなこと(安保闘争とか田舎コミュニティの忌避とか)って、結局どこかで作られたロールモデルの押し付けに踊らされてたんじゃないの?と思ってしまう。
生きることに正解はないはずなのに、正解という幻想に全員を向かわせたツケが今の時代に歪みとして出てきてるんだろなと感じてる。
正解を踏んで上がり地点に到達してきた生きる時代が幸運だった人々の後にどんどん上がれる余地が減って努力が必要になっていって。。
この本を読んで、個人個人に苦労や報われた幸福があって、人生の楽しみの切り口もあって、それって自分の中にあるのよねという感じが非常に学びだった。
オーディブル以外が中々読めなかったので、また本に色々手を出せるようになったので楽しみ。
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