終わりと始まりの重なり (日本人の取説最終回)
終わらせ方には技術がある。
技術を磨けば美しさが現れる。
「有終の美」というように、
美しく終わらせるには、そこに有るものを見つければいい。
事が終わって、失敗したとする。
失敗した自分の不甲斐なさにがっくりし、
周りの期待を裏切った自分を嫌い、
己の誤りを認めてスイマセンと謝罪し、
深く反省する。
これが許しを乞う態度であるなら、
美しくない。
乞うているからだ。
有るものを見つけず、乞う。
無いといって乞うている態度は美しくない。
有るものとは何か。
それは新しく何かが始まるという可能性。
それも終わらせた事の経験を活かせる場が
待っている。
終わって悲しいが始まって嬉しい。
その両極が重なっているから美しいのだ。