肉離れ
皆さん、初めまして。
今回初執筆させてもらいます。理学療法士の西條です。
今回の記事は、肉離れについて。
今月の13日に自分がフットサルの練習中に受傷したこともあり、この題名に決めました。
肉離れとは
・スポーツ外傷の1つで、筋の過伸展により筋組織の部分断裂をきたしたものであり、まれに完全断裂に至ることもあります。
・筋が引き伸ばされながら収縮するとき、(遠心性収縮)急激な筋肉の過伸展により主に筋腱移行部が断裂することが多いです。
・疼痛、可動域制限が生じ、重症例では内出血や断裂部の陥没を触知します。
・グレードとしては**
**grade1:自発痛、圧痛を伴った軽度の違和感や軽い腫脹がある。
grade2:断裂部に軽度〜中等度の欠損があり、疼痛のために歩行に支障をきたす。
grade3:は中等度〜重度の欠損を損傷部に触知できるとなっています。
・2関節筋に多くハムストリングスが最多で腓腹筋、大腿四頭筋、股関節内転筋群、腓腹筋に多いです。
・肉離れの痛みには以下の3つがあります。
伸ばした時の痛み
押した時の痛み
力を入れた時の痛み
痛みの度合いは肉離れの重症度によっても異なります。筋肉が完全断裂しているような重症例では安静にしていても痛みを感じることがあります。
受傷起点
・短距離走などでのダッシュ時にはハムストリングスや大腿四頭筋の肉離れが生じやすいです。
・テニスなどでのジャンプ動作では腓腹筋の肉離れが生じやすいです。
要因
・パフォーマンスが低いことによるもの。
ウォーミングアップ不足で本来発揮できる筋の能力(柔軟性や筋力発揮の準備を怠ったとき)を発揮できない状態があったときに、急加速などの動きを要求された時に筋肉の収縮力が耐えられず受傷するというパターンです。
何の準備もせずにいきなり全力疾走をしろと言われれば筋肉にかなりの負担がかかるのも皆さん想像がつきますよね?
・少ない箇所に負担が集中してしまう
例えば走ることに関して、脚がたくさん動いても、腕や背骨の柔軟性が乏しければ、腕や背中の動きが少なくなってしまい負担は足だけに集中してしまいます。
そうすると、負担としては脚の筋肉に集中してしまい、肉離れのリスクを増してしまいます。
また、可動域があっても腕や背骨で生み出した力が上手く脚に伝えられなくなっている状況では、同じく脚の負担が増えて肉離れのリスクは上がります。
治療
・初期治療(応急処置)ではrice処置(安静rest、冷却ice、圧迫compression、挙上elevation)をします。
・その後は安静と固定が基本となります。固定することで壊れた筋肉の繊維も修復します。そのため程度にもよりますが、2〜3週間は患部を固定し組織の修復を推進するのですが、組織は修復過程で収縮してしまうので元の状態に戻すには収縮した組織を引き伸ばすことも必要となります。
競技復帰はいつから?
・目安としては痛みが消質する。
・患側の筋を伸ばした時の可動域と健側の筋を伸ばした時の可動域に左右差がなくなる。
・日常生活や、ウォーキングなどの動作に対して不安がなくなる。
というところまできたら軽いジョギングなどから始めて、徐々に競技復帰につなげていけるといいでしょう。
さいごに
肉離れを予防するためには…
・練習や試合前にウォーミングアップをしっかり行い、筋の柔軟性を高める。
・練習や試合後にクールダウン を行い、筋のストレスを軽減させる。
・全身の柔軟性や、身体の連動性を高め、運動中に一箇所に負担が集中する状態を避ける。
などがあげられます。
今回は、肉離れについてお伝えしました。
今後も疾患のメカニズム、解剖、運動、生理学の内容を中心に書きたいと思います。
お読みいただきありがとうございました。
意志堅固
西條 貴則