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読書の日記#1 『月は無慈悲な夜の女王』

読書歴20年以上、今更だけど備忘録代わりに読んだ本の感想なども書いていこうと思う。

今回の作品はこちら。
ロバート・A・ハインライン、矢野徹(訳)『月は無慈悲な夜の女王』早川書房(1969)

本文だけで600ページ超。なかなかの大作。タイトルがトップレベルにかっこいいのでずっと気になっていた。
物語は、地球の流刑地となった月に住む主人公たちが、超高性能な頭脳を持つロボットとともに革命を起こしていくというお話。
機動戦士ガンダムのルーツというような話を聞いたことがあり、壮大な星間戦争が繰り広げられるのかと思っていたけれど、読んでみると意外にあっさりとしていた。もっと言ってしまうとあまり劇的な展開はなく、淡々と進んでいく感じ。私の理解力不足を加味しても、文章が古いからか脈絡が掴みづらいところも多いように思う。

けれどあまり難しい科学のお話はなくて、むしろ月では多夫多妻的な結婚制度があったり、地球と戦う方法がかなり原始的だったりといった描写が目立ち、そもそも割とコミカルな作品なのではないかと思った。
そう思うと、何故賢いロボットが月にはあって地球側にはないのかといったように、ときどき突っ込みを入れながら読むのがちょうどいいのかもしれない。

途中に地球出身で月世界の味方をするスチューなる人物が現れるのだけれど、最近TENETを見返したせいか、ロバート・パティンソンの姿に重ねて想像していた。余談だけれど、本作がネビュラ賞ノミネートされたとき受賞した作品は『バベル-17』という作品で、今度ロバート・パティンソンが主演する作品は『ミッキー17』。なんだかタイトルが似ているのは偶然なのかなんなのか。

しかし50年も前にこんな作品を書けるのだから、月並みだが作家の想像力はすごいなと思う。ただあまりに昔のSFだと、やはりどうしても新鮮味が感じられないというのが悔しいけれど正直な感想。初回はこんなもので。

2024/9/3


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