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「雨天結構」(2023/03/13の日記)

 雨が好きです。休日の雨が好きです。休日午後1時~4時の雨が好きです。

 僕は元来インドア派なのですが、それでも「晴天の時は外に出るなりなんなりアクティブなことをするべきだ」というのは肌感で理解できる。たぶん思想とか嗜好じゃなくて人間の遺伝子に組み込まれている、そういうレベルの感覚。窓から日光が差し込み、部屋の壁やカーテンが室内に陰を作る。薄暗い部屋の中でディスプレイに向かっていると、否が応でも罪悪感のようなものがこみあげてくる。そういう休日の午前10時。嫌~。

 しかし、雨が降っていればどうだろう。
 外が徐々に暗くなってきて、ディスプレイの光が照らす範囲が広くなっていく。気づけばガラス越しに聞こえはじめる雨音。窓を開ければ雨天特有の匂いが香り立つ。良~。
 まるで世界が外に出なくてもいいと言ってくれているかのように罪悪感が一気に消え去るのです。

 傘をさすのが面倒くさい、濡れるのが鬱陶しい。雨男(雨女)なんて概念があったり「梅雨明けてないじゃないすか!やだー!」のコラ画像が作られたり。とかく雨という存在は悪役にされがちですが、僕のような引きこもりの精神を少なからず救っている。そういう側面もある。物の善悪は見方次第で簡単に変わる。大層なことを言っているようですが、要は「外出しない言い訳ができてイイネ!」ということです。なんて俗物的!

 ただ、そんな雨に関してひとつだけ許せない点がある。気圧の変化による頭痛。本当にあれだけやめてほしい。
 雨が降っている最中はそんなこともないのですが、その数日前に必ず頭痛が起きる体質を持っています。なんか頭痛いな~と思って天気予報を確認すると数日後には高確率で雨。弥生時代なら救世主になれたかもしれませんが、令和の時代ではそれも望めない。無用の長物。長物かどうかすら怪しい。こんな力、私は望んでいない……!

 そんな頭痛もだいたい薬でなんとかするので、総合的に見ると僕は雨がとても好きだ。それと関係あるのかはわかりませんが、雨がテーマの曲も好きなものが多い。いくつか紹介して今日は終わりにします。

Ame(A)/サカナクション
 みなさんもご存じであろうバンド、サカナクションです。Ame(A)とAme(B)があるのですが、僕は断然Aが好きですね。
 シンセサイザーとコーラスの存在が絶妙に霧がかってる雰囲気を演出していて、サビの粒だった小気味よいカッティングギターがパラつく雨を感じさせる。個人的にはそんな感じで楽曲全体で雨の日の光景をよく再現した曲だな~と思っています。間奏のオリエンタルなフレーズも好き。
 歌詞も良い。僕は非喫煙者ですが、こういう曲を聞くと雨の日のベランダで煙草の煙をくゆらせて物思いにふけりたくなる。


アメノチアメ/石鹸屋
 個人的な推しバンドから1曲。
 ほとんどの場面で鳴ってるライドシンバルが気持ちいい。イントロのギターフレーズも、重く厚みがかった灰色の雨雲を感じさせる気がします。そしてそれはサビでなお顕著になる。ギターソロはリバーブを効かせた響き。サカナクションの方でも書いた霧が立ち込めた風景が浮かびます。
 そしてなんといってもラスサビでは歌詞の中で雨が上がっていく。それに合わせてアウトロのギターは上がり調子に、雲の切れ間から差し込む日光(サンライト)を表現するようなフレーズになっていきます。曲の中で雨が降り始める→やがて上がっていくを表現する手腕、たまらんね……。
 あとこれは余談なんですけど、『アメノチアメ』が収録されているアルバム『ヒュー』では、楽曲ごとにイメージカラーが設定されています。『アメノチアメ』は白。雨だからって安易に青系統の色にしないのが良いな~とトレーラー動画が出たころから思っていました。雨天って白~灰色だよなぁ。


Rainy proof / HACHI
 
バーチャルシンガー「HACHI」さんのオリジナル楽曲。Vtuber(バーチャルアーティスト)のオンラインイベントで初めて聴いて以来、気に入ってたびたび聴いてます。
 イントロが雨音から入るのがもう良いですよね。ピアノが主導していく構成も、僕が普段聴かないタイプの曲なので新鮮味を感じました。
 サビ後半の歌詞がかなり好きです。

ペトリコールが匂いたつ
雨音が強くなる
いま全て灰になる
雨音が強くなる
(動画 概要欄より)

https://youtu.be/nJBlXS8J1lA

そういえばこっちの歌詞にも煙草が出てきてる。雨と煙草ってなんかシナジーあるのかも。

今日はここまで。昔の人は「晴耕雨読」なんて言葉を作りましたが、僕は晴だろうが雨だろうが読してたいですね。


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