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「青春岐阜巡り」(2023/09/11の日記)

一昨日、友人からLINEのメッセージが届いた。
彼とは高校時代から今までの長い付き合いであり、今年に入ってからも共に水族館に行ったり海を見に行ったりした仲である。リアルの友人は彼を含め数人しかいない。貴重な存在だ。

メッセージの内容は彼の休みである月曜、すなわち今日岐阜の方まで遊びにでないかというものだった。先週も誘われていたが、名古屋のライブ帰りで肉体がバッキバキだったのでやむなく断ったのだ。それもあり、今回は乗ることにした。
岐阜に行って何をするかは決めていないらしい。そういうフリーな旅は大好物だ。

「君のnoteを見て俺も噛み切らないとと思ったので、岐阜に行ったら15分ほど欲しい」というメッセージも来ており、なにか物を噛み切るような日記/記事なんて書いたか……?と一瞬記憶をさかのぼった。
が、数秒で「噛み切らないと→髪切らないと」であることを理解し、了承した。


朝8時、友人の車に合流し、出発。

コンビニでVtuberグループ「ALLGUYS」の缶バッジを見つけたので購入。

こんなかわいい娘がおじさんなワケないだろ……常識的に考えて……

行きの車内ではジャンプ漫画の話をしてました。有名な作品も意外と後半の展開知らないよね~みたいなことを話してた気がする。銀魂とか白い制服の真選組のライバルみたいな人たちが出てきて以降のストーリー知らないな。


友人の髪切りを待った後、一行は岐阜城へ向かうことに。

金華山の山頂にそびえる城。
なんの事前知識も入れずに行ったけど、織田信長や斎藤道三が居たらしい。駐車場に着いた段階でポツポツと雨が降っていたので、麓にある岐阜城資料館で時間を潰そうとしたら休館日でした。事前に調べないからそういうことになる!

資料館前にあった謎の噴水。完全に油断してるタイミングでグッバォウ!!!みたいな音とともに吹き上がったので心臓に悪かった。

資料館に入れなかったので、天候を心配しつつも城へ向かう登山ルートに入ることに。
おとなしくロープウェイを利用しておけばあんなことにならなかった。この時の僕たちはまだそれに気づいていなかった……。

友人が過去に登ったことがあるということで、七曲り登山道で行くことにした。手前に百曲り登山道もあったが、完全に獣道だったので日和ってしまった。

運動不足の生き物およそ2匹がひたすら山道を登っていく。標高に比例して雨脚も強くなっているように感じるのは気のせいではなかった。かろうじて下山してくる人とすれ違う瞬間が救いだが、みんな傘をさしている。それはそう。後先考えないビショ濡れ成人男性ズを見て何を思う。

山頂まで残り500mほどのところで、友人に限界が来た。急に山道に寝転んで休みはじめたので"いざ"という時の対応を覚悟したが、ちょっと休んだら回復したようだった。
回復はしたものの、これ以上登るのは不可能とのこと。僕はわりと平気だったが、先日のライブで体力が底の底を尽きた時のしんどさについて体感していたので共に下山することにした。

そんな事情はつゆ知らず、下山の最中も雨は降り続いた。もはや目に入るのが自分の汗なのか雨なのか分からなくなっていた。登りに比べれば下りは幾分か足取りも軽い。友人も僕の歩調に近づきつつある。

ここまでびしょびしょならもはや何も気にするまい、と雨を受け入れるような心持ちになる。
ふと、今年の夏も海へは行かなかったなぁと思った。シャワー以外の水でずぶ濡れになるのはいつ以来だろうか。

目的地にはたどり着けなかったのに、体に貼りつく服が不快なはずなのに、妙にすがすがしい気持ちだった。人間、たまには運動して水にまみれる瞬間が必要なのかもしれない。

駐車場まで降りきった頃には小雨になっていた。タイミングなのか、山の上だけ天気が悪かったのかは定かではない。
すぐさまコンビニへ向かい、タオルと替えのTシャツを購入した。
次回はお互い体力を付けてから城攻めにリトライしようと話しながら。


結局城へは行けなかったので、もうひとつの目的地候補である岐阜かかみがはら航空宇宙博物館へ向かった。

そういえばこの友人と知り合ったのも当時「艦これ」をプレイしてたからだったなぁと、戦闘機を見て思い出す。
行ってみて思ったが、やはり博物館は面白い。僕は飛行機に特別な関心があるわけではないが、気合の入った展示や説明は読んでいて興味深い。熱量のあるオタクの語りが面白いのと同じだ。

展示としては航空機の歴史や現在に触れる「航空エリア」と、宇宙開発について綿密に解説されている「宇宙エリア」に分かれていた。
個人的には宇宙エリアのS5「宇宙と生命の謎を探る」が気になった。太陽系外のハビタブルゾーン(生命が存在できる領域)。ボイジャーに搭載されたゴールデンレコードをどこかの地球外知的生命体が読み取る日は来るのだろうか。ロマンだ。

土産売り場にあった宇宙食"風"フリーズドライ食品を買った。
友人はたこ焼きを、僕はチョコレートケーキを選んだ。
たこ焼きを1つ貰って食べると、食感は硬いスナック菓子のようなのにしっかり出汁とキャベツの風味が伝わってきた。宇宙でこれが食べられるなら、なるほど、地球の味を思い出せるのかもしれない。

友人は「冷凍食品のたこ焼きをフリーズドライにした感じ!」と言っていた。まあ、製造工程的にはそうなんじゃないですかね。

チョコレートケーキの方は、食感としては「風化したカロリーメイト」だった。カロリーメイトはギュッと凝縮された密度があるけど、これにはない。ゼルダの伝説に出てくる、爆弾で壊せる壁や柱のようなホロホロ具合だ。
それに反して味はしっかりチョコレートケーキなのがすごい。コンビニに売ってる二等辺三角形のケーキが2つセットで入っているアレの味がする。
すごいぞフリーズドライ。


帰りの車内では友人のフィールドであるFPS界隈の話や、僕のフィールドであるVtuber界隈の話などをした。お互い相手の話題にはそこまで詳しくないのだが、だからこそフラットな目線で聞いてもらえる心地よさがあった。

話の中で「学生のころ”無茶”をしたことがなかった」という話になった。無駄にマジメくんであり無駄に考えて行動することができていたので、通常の思考を逸するような行動をしてこなかったのだ。

露骨に天気が怪しいのに山道を登り、あまつさえ頂上にたどり着けずびしょ濡れになって下山してくる。少し考えたら分かることだろうに。
いい大人になってからしたちょっとした無茶は、悪くない思い出になった。

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