シスレー
Alfred Sisley アルフレッド・シスレー
The Row of Poplar Trees in Moret
モレのポプラ並木 1888年
山形美術館を訪ねた時に出会った絵です。
シスレーの終の住処となったパリ郊外モレ・シュル・ロワンの風景で、季節は初夏でしょうか。
この絵を観ていると、自分が絵の風景の中にいるような感覚になります。絵の中の人と一緒に木漏れ日を浴びながら、緩やかな川の流れを見ているようです。
シスレーは、穏やかな均衡のとれた構図で美しい四季の風景を描いていますが、透明感のある色彩で、大気、水、雪、空の光を受けた輝きを描く表現は詩人のようです。
印象派の画家としては、生前から地味で教科書的だと評価が芳しくなく、経済的にも困窮していたと言われているシスレーですが、多くの素晴らしい風景画を残してくれたことに感謝したいです。
劇的なことはなくても、心穏やかに過ごせることは幸福なことです。シスレーの絵を観ているとそう思います。
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