フェリックス・ヴァロットン
Félix Vallotton フェリックス・ヴァロットン
Le dîner, effet de lampe 夕食、ランプの光
1899年 オルセー美術館
ヴァロットンはスイス生まれの画家で、パリに移り活躍しました。ナビ派とされています。この絵ではナビ派の絵に見られる神秘性は感じませんが、日常に存在する生々しい感覚が表現されていると思います。
家族の食卓を覆う暗く不穏な空気感。手前の影で描かれた人物は画家自身と言われています。
ランプに照らされた明るい食卓と、それを取り巻く不安気で寂しい黒とのコントラストが、画家が感じている日常生活での孤独感を表現しているようです。
この絵は心の中の情景を描いた絵だと思います。人生のどこかで、このような心象風景を経験したことがある人は、この絵に共感し、対面する女の子に見つめられた黒い人物をその時の自分として感じると思うのです。
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