育児と仕事を両立するための復帰と職場の意識
4月10日(水)のNHK「おはよう日本」では企業主導型保育所についての特集だった。
「制度から3年 多様な働き方は」というタイトルではあったものの、そこに登場した女性は、「確実にスピード復帰を果たすため、会社の保育所を選びました」と語り、上司の営業課長も「年度の途中で、なかなか人を増やすことも難しい。早期に帰って来られるのは、我々としては非常にありがたい。」と話す。
企業主導型保育所は年度の途中からでも入れ、自身のタイミングで復帰できることが魅力だ。しかし、なぜそれをスピード復帰という方向から捉えてしまったのだろう。
認可保育所は激戦のため、年度途中からの入園を諦め、復帰時期を早めているケースはたくさんある。誕生日によっては3カ月で復帰という事もあり得るわけだ。当然人にもよるが、自身の体もまだ元に戻らなかったり、子どももまだ離乳食も始められていない状態で預けることに不安をもったり、本当ならギリギリまで育休を取りたいと望む人もいる。しかし、それが叶わない現状が存在している。
企業主導型保育所であれば、女性がしっかりと育休を取って復帰するということが可能になる。上記のような現状を踏まえて、女性が育休を取りやすいということをうたってほしかった。職場に迷惑をかける、という思いを持つ人も多く、今回の番組は、やはり無理してでも復帰を早めた方がよいのか、と捉えられかねない。
職場になるべく迷惑をかけないように、という風潮は強い。だからこそ、それと逆行するような形で、女性が安心できるような番組構成にしてほしかった。勿論、職場に迷惑がかかるのは事実だ。人員の補填は難しい。けれど、いつ、どこで、誰が休むかわからないのは他の社員だって同じなのだ。それをフォローできないような体制であることが問題なのであって、育休をとる女性だけが努力をするのではなく、双方向でなくてはならないのだといえよう。