見出し画像

インドネシアで日本人的感覚でモノを言うことが老害となる

先日インドネシアの大手BCA銀行の住宅ローン(KPR)について『BCA銀行がKPRの営業をする際には最低金利であるこの3.95%を推してくるものと想像されます』とか書いたら、ブカシ支店前の歩道橋に、まさにドカンとベタな広告出ていました。

インドネシアでは3.95%というのは破格に低い金利で、インパクトとしては十分なのですが、よく見ると小さい文字で『Fixed 3 tahun(固定3年)』と書いてあり、4年目から変動金利(2024年7月現在11%)適用に移行されます。

営業的な面で言えば3.95%というキャッチな数字で客を銀行に呼び込んで、カスタマーサービスか応接間で詳細を説明という感じになるのでしょうが、銀行側の建前としては『3年間猶予をあげるからその間にビジネスを軌道に乗せるか、高い給料の仕事に就くかして可処分所得を上げてね』ということではないでしょうか。

私の感覚では『低金利で誘って4年目から地獄に突き落とすよりも、最初からある程度金利を高く設定しておいたほうが消費者のためなんじゃなかろうか』と思うのですが、周りの人間に聞いてみると『インドネシア人にとっては最初の支払いというのは非常に重要で、家も車も途中で払えなければ売る、毎月賃料だけ払って消えていくよりはそこに賭ける傾向が強い』とのことでした。

これを日本人の感覚でもって『無計画で短絡的な思考回路だ』と否定的に切り捨てることは簡単ですが、ある意味非常にチャレンジングな考えであるとも言えるわけで、インドネシアのように経済成長まっしぐらのイケイケの国では、このポジティブシンキングこそが重要なんじゃなかろうかとすら思えてきました。

もはやインドネシアで日本人的感覚でモノを言うこと自体が、インドネシア人からは老害と捉えられる時代なのかもしれません。