#9 2つのBA ーDX推進の計画④ー
あれっ?消えちゃった!
なんと、3日がかりで書いて昨日公開したNoteが、変に編集しようとしたためか消えてしまいました。ん~残念ですが、気を取り直して書き直ししてみます。
前回「DXの推進の計画③」で、「DX推進」するための「動機」のタイプには2つありました。PRODUCE THINKING LABの金田隼人氏が言う「0」から「1」を創り出そうとするものと、「0.1」から「1」を創り出すものです。前者はいままでに存在しなかった新しい顧客価値をイノベーションにより作り出す行為です。後者は既存のビジネスを深化させることで、顧客に新しい価値を提供しようというものです。
「DX推進」の計画のためには、まず上記のタイプを明確に意識することが大切です。その上で具体的な計画に落とし込むことになります。
「DX推進計画➀、②」で述べたように計画の第一は実行環境、特に関係者全員の「DX推進マインドセット」を整えることです。そのために必要なのが、動機のタイプの違いを意識した「DX推進」の目的を明かにすることです。
「DX推進」の計画では設定した目的を果たすために、最も効率のよい活動の在り方を考えることになります。この活動は一つのプロジェクトで行うというより、最終目的を達成するために必要な様々な活動を並行して実施することになります。例えば、自社に最適なビジネスプロセスを考えることや、フィットするデジタルソリューションを選定したり、ソリューションをデリバリーするためのビジネス環境整備、新しいビジネスを評価するための準備などが考えられます。これらの一連の複数の活動の集まりのことを、プログラムやイニシアチブなどと呼びます。
つまり「DX推進」の計画の特長は、複数のプロジェクトを統合することを意識することになります。
また計画は「DX推進」という性格上、予めその活動の全てを詳細に計画することは困難です。どういう意味かというと、「DX推進」は前例のない革新的なアイデアによるビジネスを実現する活動ですから、その活動の詳細を計画することは基本的に困難であるという事情があります。そのため活動の基本形態は「アジャイル型」となります。
「アジャイル型」アプローチは、IT開発のプロジェクトで採用されるイメージですが、「計画」「調査」「PoC(技術評価)」「開発」「評価」などの様々なプロセスで活用できる手法です。実施するプロジェクトの目的に対して漸進的なやり方で、途中成果を評価し具体的な活動内容を見直しながら進めて行くのが「アジャイル型」アプローチです。この柔軟な変化を可能にするアプローチを計画することが必要です。
「DX推進」の計画において、最重要と筆者が考える4つのポイントについて述べました。まず、実施のためのステークホルダーエンゲージメントを確保するための計画、ついで実行しようとする「動機」のタイプの違いを認識した目的の明確化、共通の目的に向けて実施する複数のプロジェクトの存在、「アジャイル型」アプローチによる実施計画。となります。
もちろん計画には他の検討すべき要素が沢山あります。次回はこれらについて簡単に触れて行きたいと思います。