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#10 ビジネスアーキテクチャって何だ?

前回までに、IPAが設定した「DX推進スキル標準」が定める人材の類型のうち、「ビジネスアーキテクト」が果たすべき役割について、IPAの「デジタルスキル標準Ver1.1」の記述を元に紐解きました。
その内容について、皆さんはどう捉えられたでしょうか。筆者の感覚としては要求されるスキルが広範囲に渡ることと、求められる結果の重要性の大きさを考えると、並大抵の責任ではないと感じました。文字通りスーパーマンですね。

このブログの最初の方で述べたと覆、筆者はビジネスアナリストであり、ビジネスアーキテクトでもあります。ここでいうビジネスアナリストはIIBA®という国際的なビジネスアナリシス普及団体であるIIBA®という団体が提唱するBABOK®に基づいた活動を指します。またビジネスアーキテクトとしては、同じくBusiness Architecture Guld®という団体が提唱する、BIZBOK®というナレッジガイドに基づいた活動を指します。

このような立場でDX推進スキルの「ビジネスアーキテクト」の仕事を見ると、その多くがBABOKではビジネスアナリストの仕事として位置付けられています。また、BIZBOKのビジネスアーキテクトの役割では、ビジネスのモデル化などによる手法でビジネスの可視化を図ったり、マーケティングやブランディングに必要なインプットデータを提供したりします。
対象外となるのは、マーケティングやブランディングそのものの活動や、サイバーセキュリティに関するものになるでしょうか。この分野は、それで独立した研究分野となりますので、専門家の力に頼ることが正しいと思います。

一例を上げましたが、筆者が考えるビジネスアーキテクトに必要なスキルの第一は、チームビルディングではないかと思います。イメージで言うと、ブロードウェイのミュージカルのオーディションと似たような感じでしょうか。もっとも筆者もコーラスラインで得た知識しかないんですが。まず、脚本、歌詞、音楽、主要キャストなどの基本的な構想とプロトタイプがあり、出資者を募り、オーディションを行います。
このオーディションで残されたキャストを決定し、稽古に入り、本番を迎えるという感じになるでしょうか。
ビジネスアーキテクトは、監督であり、脚本家の役割を担っていると考えています。まさにミュージカルカンパニーの司令塔ですね。
この司令塔が脚本を選び、時には自作し、作曲家を選定し、出資者を募ります。つまり各専門家を集めてチーム(ミュージカルではカンパニー)を立ち上げます。このような監督に求められる資質の一番は、できる専門家を集めてまとまりのあるチームを作ることです(もちろんできる専門家ネットワークを持っている必要がありますが)。このタレント集団が連携しながら共通の目的に対しパフォーマンスを発揮するよう、全体をコントロールします。

筆者が考えるビジネスアーキテクトは上記の監督のような立場です。とはいうもののDX実行の規模が小さい場合や、多くのリソースを割けない場合なども存在します。このような時は、一人のビジネスアーキテクトが自分もプレーしながら、全体をコントロールするという「DX推進スキル」が提唱する、ビジネスアーキテクトの役割を果たす必要があるかもしれません。とはいえ、そのようなスーパーマンは一朝一夕に出来上がることはないわけで、地道に努力する必要があります。または、企業が仕組みとして自社業務として組み込むことが重要ですね。

筆者の会社ではDX人材の育成、DX推進のサポートなどDXでお困りの企業のお役に立つべサービスを展開しています。もしご関心をお持ちであれば、こちらまでご連絡ください。
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