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#17 2つのBA -DX推進の実際⑦-    【DX推進戦略の策定】


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 連休で一回休みしたこのブログですが、今回はいよいよ戦略をまとめ上げるポイントについて述べて行きます。

前回は

 「DX推進活動」の戦略策定要素の3つ目、「遂行しようとするDX推進活動のリスクを見積る」について考えました。DX推進活動実践するにあたり、考えられるリスクを想定し、そのための対策を立てそれをマネジメントしていくことはとても重要なことでした。
 なおリスクには大きく2つのタイプがあります。リスクには想定可能なリスクと想定できないリスクがあります。想定可能でかつ活動へのインパクトが大きいものは、上で述べた方法で積極的にマネジメントすることは必須となります。でも予測できないリスクと言うものも必ず存在します。そしてそのリスクの影響はとても大きなものとなります。これにはどう対処したらよいのでしょうか。
 このような予測できないリスクから我々の活動を守るための手段はそれほど多くはなく、期間と予算にバッファを用意することで対応します。もし予測していないリスクが発現した場合は、この2つのバッファを上手く使うことで対処することになります。

今回は
 
DX戦略の策定要素の4番目「全体を取りまとめて戦略を策定する」について考えて行きます。まず戦略策定のための4つの要素は以下の通りでした。

  1. ビジネスを遂行する組織の現状を知る

  2. 目的とする変革によってもたらされる顧客や社会の価値を想定する

  3. 遂行しようとするDX推進活動のリスクを見積る

  4. 全体を取りまとめて戦略を策定する

 最初の3つで「DX推進戦略」を考えるための材料を揃えたわけですが、これらのインプット情報に加え、『#5 2つのBA(ビジネスアーキテクチャとビジネスアナリシス』で述べた、ステークホルダーエンゲージメントのアウトプットを加えた4つの要素から、DX推進活動戦略を取りまとめます。

その目的は
 いくつかのDX推進活動のアプローチを作成し、評価し、その後推奨するアプローチを一つに絞り込むために必要な、活動戦略とその範囲を明確にすることになります。

戦略策定の観点
 変革のためのDX推進戦略は、次の7つの観点からその目的を明確に記述します。
1. DX推進活動の動機・環境
2. DX推進活動による変革を得るための複数の選択肢の検討
3. 選択肢の中から採用するアプローチの優位性の説明
4. DX推進活動に必要な投資とリソースの特定
5. DX推進活動の結果、価値をもたらす企業活動のあり方の特定
6. DX推進活動およびその結果の維持に関係するステークホルダーの特定
7. DX推進活動の結果におけるビジネス活動開始への移行条件の特定

ロードマップの明確化
 戦略にはDX推進活動の結果もたらされる将来状態の記述はもちろん、その状態に到達するまでの過程について、記す必要があります。このロードマップには、完成したビジネス能力と未完成のビジネス能力を明確にすることと、その各段階における能力によってもたらされる価値を特定します。また同様に各段階で実現できないビジネス能力とそれがもたらす価値についても記述します。
 これらの記述は、アジャイル型のマネジメントで展開されるDX推進活動が、今現在その位置にいて、その結果どのような価値を獲得できたのかを知るために重要です。つまりDX推進活動はその全ての活動が終了して初めて価値を獲得するものではなく、その活動の途中でも有効な価値を得ることができることになります。

次回は
 今回までにご説明したDX推進戦略を基に、実際に現状のビジネスをどのような手段で理解し、問題点を発見していくのかについて、考えを進めて行きます。主なテクニックとして、ビジネスアーキテクチャによるモデル化の概要をご紹介しますので、お楽しみに!
 

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