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#12 2つのBA ーDX推進の実際②ー

◆DX戦略の策定 1

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前回の振返り
前回はビジネスアーキテクチャとビジネスアナリシスの概要とその関係について説明しました。
ビジネスアーキテクチャは企業や組織がビジネスを実行する目的(顧客に提供する価値提案)や、そのために保有すべき能力、それらを表現する言葉(ビジネス情報)、ビジネスを動かす組織などビジネスを実行するフレームワークを提供するものでした。
一方ビジネスアナリシスは、組織やビジネスに変革(チェンジ)を起こすためのフレームワークでした。どのような変革をどのように起こすか、そのために必要な具体的なソリューションはどのようであるべきか、を追求するものです。
ビジネスアーキテクチャによってもたらされるインサイトがビジネスアナリシスに影響を与え、逆にビジネスアナリシスで示唆される行動がビジネスアーキテクチャの形に影響を与え、変革の起点となります。つまり2つのBAはDX推進の両輪として互いに影響しながら存在することになります。

計画から実行へ
前回述べたように「DX推進」を実施するとき最初に行うのは「計画」でした。アジャイルスタイルでの活動では綿密な計画は行わないと述べました。これはアジャイル開発だけではなく「2つのBA」の活動でも同様です。アジャイルについてご興味のある方は世の中に沢山の書籍が出ていますので、そちらをご参照ください。
さてここで言う計画とは、「DX推進活動」におけるガバナンスの確立と、ステークホルダーエンゲージメント活動の指針を作ることでした。ガバンスの内容として、意思決定ルール明確化と権限の設計は重要です。

実行の第一歩(戦略と目的の整合性確認)
実行の第一歩は、果たすべきDXの目的やビジネスのコンテキストにより、どこから手を付けるとより効果的であるかが異なるため、これから始めなければいけないというものが決まっているわけではありません。でも、もし筆者が第三者として「DX推進活動」に関わるのであれば、まずは経営戦略と事業戦略を確認し活動の目的を明確にするところから始めることになるでしょう。

一般的に「DX推進活動」を実施する場合その目的は明確で、どのようなビジネスを目指すのかなど、「DX推進」主体であるはずの企業の経営陣はそのイメージを持っていると思います。しかしその目的が本当に企業が掲げる理念や経営戦略や事業戦略と整合しているか、的確に説明することができるでしょうか?これは「DX推進活動」全体の整合性を保つために重要なのはご理解いただけると思います。でも往々にしてそのような精緻な説明は存在せず、感覚的なフワッとした合意を形成している場合がよくあります。それは日本企業に特有の文化的な背景や共有された現状認識(ハイコンテキスト)が企業内で「言わずもがな」の常識として存在するため、その必要がないと思われているからだと思います。
ところがその「常識」と思われている認識が、人によって微妙に異なったり、所属する部署により異なる解釈があったりして必ずしも共通認識として確立していないことがあり、「DX推進活動」において先行きに齟齬が発生する可能性があります。
そのため、企業理念 > 経営戦略 > 事業戦略 > DX推進戦略 > DX推進計画 がちゃんとつながっていることを明確に可視化することは重要です。このとき当然ですが、いずれかの関係に不整合が生じている場合、見直しが必要になります。これにより、「DX推進活動」実施期間中その活動の正当性を証明することが可能になります。

DX推進活動の戦略
「DX推進活動」を成功させるためには、目的と各種戦略を整合させた上で、具体的な変革戦略を策定する必要があります。

この項は次回に続きます。



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