『ちいかわ』って、大人向け作品だったんだ。
アテクシ、だいぶ遅ればせながら、『ちいかわ』に触れました。
コンビニコラボ!とかグッズとか目につく機会は多くて、流行っているであろうことは知っていたんだけど、流行に乗るのが苦手なタチで。きっかけもなく、勢いもなく、アニメを観始めたら、笑えた。
ていうか、アニメ、一話が短過ぎて、EDのメロディがこびりつくシステム。
世界観やストーリーはふわっとしているようで、とにかくキャラが良いので解説したい。
まず、ちいかわ。
完璧主義なとこがあるんじゃないかなって思う。理想と乖離した状態になると動揺して、うろたえる。
理想のじぶんは頭の中にいるのに、現実のじぶんがそうじゃない悔しさだったり、本音を言えなかったり、堂々としたいのにできないときが多くて、よく泣いてしまう。たぶん泣いてしまうじぶんも好きじゃない。
みんなのサポート役のような存在の、ハチワレ。
ちいかわの完璧主義に対して、「ありのままでいいんだよ」と語りかけるような存在(に見える)。
こうだったら良いのにな、だけど、今のままでも楽しいよね、素敵だよね、という考え方を地でいく。
みんなのまとめ役っぽいけど、意見をまとめるというよりオチをつけてくれるような感じ。
そしてうさぎ。
上記の「ありのまま」を体現しているひと。一番どうぶつっぽい。
他人に興味がないけれど冷たいわけじゃない。近付き過ぎず、遠過ぎない、程よい距離感。
何も考えていないのにみんなを笑わせてくれる。
人に聞くとうさぎ推しって意見が多くて、本編を見たら納得がいった。
うさぎの性格って、大抵の人がそうなれたらいいのになって思う姿なんだと思う。嫌なことがあっても平坦な心で受け流すというか、感情を動かさないでいられるとか。
そういう人がそばにいたら、心強いもんな。惹かれるわけだ。
この作品、大人にも人気という理由が分かった気がした。
誰もが、ちいかわと同じような気持ちになった経験があると思う。
じぶんがこうだったら良いのに、こうなれたら良いのに。そんな気持ちを孤独に抱えること。
そしてそんなときに、ハチワレやうさぎのような心温まる仲間がいてくれたら、どんなに心安らぐだろう。
誰もが心の底で渇望している、じぶんを100%肯定してくれる存在。大人になるとそれがどんなに貴重な存在か分かる。だからこそ、大人に刺さるんだろうなと。
まだ触れていない人には、それは作品として詰まらない、と一蹴されるかも知れないが、是非とも作品に触れてから同じ感想になるかどうか試してみて欲しい。