後悔と覚悟と決断
お気に入りだった服は今頃誰かのパジャマになっているし、足元に落ちた命より大事なバンドのピックは今頃承認欲求の道具と化しているだろう。
あの年の伝説のライブは画面越しでしか見れないし、あいつの悲しそうな顔も見ずに済んだんだろう。
冬が春に溶ける頃、
肌にまとわりつくような風と
下校中の小学生と
後悔する。
もしあの時、から始まる考え事ほど時間の無駄なことは無い。
でも、そうやってあの日を振り返る時、一瞬目を瞑ると鮮明に蘇る空気の匂い、鼓動、風。
切ない気持ちに包まれて、呼吸を忘れるあの瞬間。
未来は少しづつ変化して、ここにいる。
あの日の自分と交信できたら、なんて空想にふけっては、目が覚める。この瞬間を感じたくなる。
戻れない決断の繰り返しで重なっていく人生に、
後悔は取り除けない。
後悔ってそういうものだと割り切れたなら、
決断に覚悟を添える。
生きるとは後悔と覚悟と決断だ。