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大腸カメラの鎮静 医療者向け

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以下の文章は架空の著者という設定で書かれた、医療の内容を含む文章です。本文の内容を臨床応用する場合には、各医療者の判断と責任の下で行ってください。記載をしている本当の著者及び、その関連団体は一切の責任を負いません。ご理解の上、よくできたフィクションとしてお楽しみください。



胃カメラに続いて大腸カメラを行う


胃カメラに続けて大腸カメラの検査を行うことは、日本以外だと非常に一般的だ。検査を受ける側にとっても、検査前の絶飲食が1度で済むし、医療機関に行く回数が少なるし、医療費の負担も2回に分けて行うよりは安く済むことが多い。しかし、胃カメラと大腸カメラを続けて鎮静なしで行うのは、検査中の苦痛が大きいためお勧めできない。

胃カメラの鎮静については、この記事を参考にしてほしい。


胃カメラに続いて大腸カメラを行うとき、そのまま左下側臥位で行う。胃カメラを抜去した後、むしろ気道が閉塞してしまうことがあるので、用手的に気道確保する。胃カメラが終わってもマウスピースは抜去しない方がいい。マウスピースは開口を維持するのに役立つし、鼻孔2つと合わせて、3つ気道がある方が換気に有利だし、口腔内を吸引するのにも役立つ。

検査中、ずっと患者の顎を持っていなくてもいいように気道が開存する頸部の位置を探す。もし、気道確保に難渋するようならマウスピースを外し、経口エアウェイを挿入する。

胃カメラに比べると気道へのアクセスが容易であり、さほど気道管理に困ることはない。

大腸カメラと麻酔深度

大腸カメラも処置の進行と刺激に応じて、麻酔深度を調整する必要がある。一般に、脾彎曲部から横行結腸に入るときと、肝彎曲部から下行結腸に入るとき、回盲部で回腸に入るときに、スコープを大きく曲げるため刺激になる。この際に、内視鏡医は送気して腸を膨らませ、体外から介助者が、スコープが進みやすくなるように腹部を圧迫する。中と外から腹部に圧がかかるので、これが刺激になる。

また、場合によっては、側臥位から仰臥位に体位を変更して、体位によって腸を動かす。腹部手術歴があると腸管が癒着していて挿入が難しい場合がある。

麻酔が浅く、腹壁に力が入っていると体外からの腹部圧迫が効果的でなくなるし、体動が起きてしまうと、せっかく挿入した大腸カメラの先端位置が一気に変わってしまうことがある。刺激に応じて麻酔を深くしたものの、すぐに刺激がなくなり今度は無呼吸になってしまうこともある。内視鏡画面とスコープの挿入長を見ながら刺激が加わるタイミングと終わるタイミングを予測して、麻酔深度を先行して調整する必要がある。

以降では、プロポフォールとフェンタニルを用いて鎮静する方法と鎮静時の注意点について述べていく。

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