揺らめき
揺らめきが怖い。
心の揺らめき。ふとした時に、すでに揺れている。
揺らめきは自分では抑えられない。揺らめきは歩み続ける足に躊躇を与える。そして、揺らめきは毎回、僕が掴む光が見えてくる頃に僕を崖から落とす。
揺らめきに慣れてきた。慣れてくると揺れなくなる。
僕は1人だった。でもこの頃は誰かと繋がっていると感じる時間が多く、そのつながりが僕の支えになっているから、支えてくれているおかげで揺らめきの具合が小さくなったり、揺らめかなくなったりしているわけだが、それと同時に僕自身も揺らめきに対する耐性がある程度ついてきて、揺らめきを生み出す原因に対しての耐震強度も以前より強くなっている。
だが、ここで思う。誰かに頼るのが俺らしい生き方なのだろうか。思っているのは僕じゃなく、俺だ。
俺が僕の邪魔をする。小さなステップをゆっくり、確実に進もうと慎重に計画を立てている僕を、俺は許さない。そんな俺を消し去ることが正解だと思うだろうが、それは違う。そんな人並みな解決策をとるなんて俺らしくない。普段は僕でいて、必要な時に俺を出す。僕と俺を共存させる。それができれば1番いい。
揺らめきをもたらす俺、もたらされたそれに揺らされる僕。俺は昔から変わらない俺。僕はこれから成長していかないといけない。
彼女が常に僕を揺さぶり続けたおかげで揺れることに慣れたところもあるのだが、この静まり返った心が、どうやら最近またもや揺らめきを欲していることに気づいた。否、揺らめきを欲しているのではない。俺が私の中で抑えられていることに気づき、存在感を示し出しているのだ。
やはり共存していくしかないのだろう。優しさと狂気の共演。想像するだけで恐ろしい人間だと思うが、思うのだが、どこか楽しんでいる僕もいて、どこか不安な俺もいる。まさに混沌。