さすような陽射しはそのまま受けて、波打ち際に立って水平線をじっとみる。うつむくと、波が打ち寄せていて、目眩に似た感覚がふわっとおそう。動いてないのに動いてるような。進んでないのに進んでいるような。
3年前、コロナで騒ぎ立てる前の年だろうか。 台湾へ行った。いいところだった。 7月の、じめじめとした、ぬるくて重たい夏に、台湾はそれはそれでよかった。夜市も。路地の隅っこにひっくり返ってるゴキブリも。押し売りで知らず知らずに購入しているパイナップルケーキも。 すべてがよかった。