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【書評】長期・分散・積立投資で危機に備えた投資を。「これからの投資の思考法」

紹介文



この本は、知る人ぞ知る投資運用のAIアプリ「ウェルスナビ」を開発したCEOの柴山さんが自身の経験を生かして資産運用のノウハウを誰でも理解できるように網羅的に解説した本となっております。敷居が高いとされる「投資」に関して易しく説明されているので、これから投資を始める方へは強くお勧めができる本です。

内容


この本は6章構成ですが、大きく分けるとこのような内容になっています。

①投資の基本原則
②数字でみる長期投資の成績
③人間の投資で起こるエラー

①投資の基本原則

まず大原則は「長期・分散・積立」みたいです。 
《長期》市場は長い目で見ると月日を重ねて成長しているため、時間をかけて保有すると利益となります。
《分散》違った値動きをするものを同時に保有することによって分散効果を発生させ、リスク(値動きの幅)を減らしつつリターン(利益)を得ることができます
《積立》「ドルコスト平均法」をもとにした考え方です。投資する時間軸を分散させることによって値動きや為替リスクを減少させることができます。
この大原則に加えて、ある一定の資産の割合を保つように、定期的に銘柄を売買する《リバランス》が利益を最大化するために必要みたいです。

リバランスとは、、?


資産を運用する際に、海外株は6割、日本株は2割、債券は2割といったように資産のバランスを決めておき、半年や1年ごとにその通りになるように売買をして資産の割合を調整することを指します。

これをすることによって、価値が上がったものは売り、価値が下がっているものを買うことができます。一見すると損をしているように感じるかもしれないですが、長期運用をするには、「高く売って、安く買う」が基本となります。歳を取ったらこの割合を少し変えたりしてリスク許容度を自由自在に変更することができます。

②数字でみる長期投資の成績

結構有名な話かもしれないですが、長年運用成績で比較すると、アクティブファンド(リスクをバチバチにとって大きなリターンを狙うファンド)よりもインデックスファンド(日経平均とかの指標の値動きに合うように運用)のほうが成績がいいみたいです。この本ではアクティブファンドの成績に関して言及されていないですが、過去の数値を使用したシミュレーションを用いて①の長期での運用方法を実行することによってどのくらい利益を得ることができるのかを実際に計算して解説しています。誰が見ても明瞭な数字によって説明されているので、理論の正しさを頭で理解することができます。

③人間の投資で起こるエラー

この前のファストアンドスローの書評でもお話ししたように、人間の脳は投資には向いていないようです。損を過大に恐れたり、有名な銘柄を必要以上に信頼してしまうなどがよくあるエラーです。

余計なリスクや手数料を払うことなく運用するためには、ある程度機械的にルールを決めて運用するほうがいいみたいです。

所感

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やっぱり投資に限ってはとりあえず始めてみるのではなく、しっかりと勉強してから始めるのが良いのだなと思いました。知識もなく勘で買ってうまくいったとしても、その後のアクションでしくじって大損をしかねないです。投資の鉄則は一定のルールに従って長期運用することみたいなので、この本の次はもうすこし金融工学にフォーカスした本を読んで、知識の地盤を固めていこうと思います。

また、長期投資の鉄則である、一定の比率を決めて定期的に資産の保有割合を調整する「リバランス」の重要性とやり方を学びました。頻繁に売り買いしないことで時間とお金を節約できるので、自分に合ったやり方だなと感じています。毎日自分が保有している銘柄の価格を見ておくなんてやっていけないですからね。


学んだこと

自分の資産運用を見直したのですが、今は景気がいいからうまくいっているけど、いつか崩壊しかねない危険な状態なことがわかりました。米国株式に全振りしたアセットアロケーションで、米国株式市場が崩壊したら僕も崩壊します。米国株とは全く違う値動きの銘柄を探してリスク分散をしようと思います。

あと、怖いですが、値上がりしているものを売り、安くなっているものを買うということを実践してみようと思います。ちょうど期末に入るので、次の投資本を読み終わったらリバランスしてみようと思います。

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