トップダウンからボトムアップの組織にしてみた 事前準備編
入社当初、会社は30名程度のトップダウンの組織体制だったが、上の指揮通りに動く兵隊組織になっており、考えて動く人間がトップと対立し退職することを繰り返していた。
同じような組織や似た境遇にあった人たちに向け、改善したいけどできない、大変なことを自分でやるのが気が引けるという人に、少しでも参考になればと思い、実際に組織変更する前段階から書いてみようと思う。
私が入社当社、会社は30人の壁にモロに当たっている最中だった。
トップにはトップなりの成功体験があり、簡易な体制変更を繰り返して権限移譲を図っていたが、権限を使うための役割と責任が無く、権限も行使しようとするとトップが最終決定を下すという仕様になっていた。
一生懸命働いている人たちがトップと仲良くないというだけで給与があがらないなどの話もあり、トップの最終決定者を組織から外し、経営者ではない者から組織のトップをつくってボトムアップな組織変更をしようという目標に変える決意をした。
組織の大型変更をするための条件
トップは事実上、経営者という立ち位置のため、本来組織から外すということ自体、あまり健全な状態と言えない。
ただ、一緒に一生懸命働く人たちのことを考えたら、やる意義はあると思い、実行に移すことにした。
実行に移す前に、大事なポイントを以下4つで考えていた。
■組織変更のための押さえるべき大事なポイント
①組織なので一人でやれるわけではない
②体制変更を失敗させないために十分考慮して進めなければならない
③やるからには覚悟を持って対応しなければならない
④目に見える形で実績を出し続けなければならない
これらを考慮しつつ、元々在籍していた協力者と一緒に進めていくことを決心した。
①組織なので一人でやれるわけではない
まずは組織変更をした後にどういう体制でやれるかを検討した。
検討と言っても、社員の中でみんなから好かれる人や、みんなから信頼されている人、新体制におけるキーマンにしたい人などとコミュニケーションを図り、自分がどういった組織にしたいか、社員たちはどうしていきたいのかを伝えあった。
信頼関係構築後は一緒になって進めていってもらう旨、了承してもらえた。
これで組織変更の前準備の一つを終わらせることができた。
②体制変更を失敗させないために十分考慮して進めなければならない
組織変更をむやみやたらにしても、誰かに負荷がかかって崩れてしまう。
そこで、今までトップがやっていたことと、本来会社にとって必要であるものの整理を行い、4つに絞って役割分担をすることにした。
■組織のトップにおいて必要なこと
・自分の考えを組織に伝達できる
・経営を理解して会社をコントロールできる
・組織論を理解して先導できる
・指標を定量化して目標を伝えられる
これらを役割分担し、負荷分散できるように伝達していった。
※役割分担したからといって他をやらなくてよいわけではない。
役割ではないものも勉強する必要がある。
③やるからには覚悟を持って対応しなければならない
未来に起こる問題にも、周りと一緒になって進めていくという覚悟を持つだけ。
毎晩のように何回もコミュニケーションを図り、お互いに理解を深めていくのみ。
信頼は過去の信用を積み重ねて信頼になる。
④目に見える形で実績を出し続けなければならない
組織変更後、なんとなくうまくいっている、変な方向になっていると感じさせては体制変更しても戻されるリスクがある。
そこで、組織を変更して実績を可視化するため、会社が目指したいものや戦略の内容を定量的な指標に置き換え、指標にコミットできるような状態にした。
全員が達成したという成功体験を積ませるため、最初は簡易な目標設定にした。
さいごに
今回は準備としてやっていたことを洗い出してみましたが、他にも必要なパターンがあったりするかと思います。
最低限必要なことは事前にやりつつ、動き出してから問題になったものを対処していくという方針で進めていたので、この体制変更は3年近く経った今でも継続できています。
次に体制変更後にどんな問題があったか、どう対処していったかを書いてみようと思います。
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