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【知識】腎機能の数値と透析
透析の指標となる腎機能の数値には、eGFR(推算糸球体濾過率) や 血清クレアチニン(Cre) などがあります。eGFR は 性別・年齢によって基準値が異なり、透析導入の目安にもなります。
1. 主要な腎機能指標
① eGFR(推算糸球体濾過率)
• 腎臓がどれくらい血液をろ過できるかを示す数値(mL/min/1.73㎡)
• 一般的な計算式(日本人用):
eGFR = 194 × 血清クレアチニン(Cre)⁻¹.094 × 年齢⁻⁰.²⁰⁷ ×(女性は ×0.739)
• eGFR 60未満で慢性腎臓病(CKD)と診断される
ステージ eGFR(mL/min/1.73㎡) 腎機能の状態
G1 ≧90 正常~軽度低下
G2 60~89 軽度低下
G3a 45~59 軽度~中等度低下
G3b 30~44 中等度~高度低下
G4 15~29 高度低下(透析準備)
G5 <15 末期腎不全(透析・腎移植が必要)
➡ eGFR 15以下が透析導入の目安
② 血清クレアチニン(Cre)
• 筋肉の老廃物で、腎臓のろ過機能が低下すると血中に増える
• 男性の方が筋肉量が多いため、女性より高め
• 正常値(目安)
年齢 男性(mg/dL) 女性(mg/dL)
20代 0.7~1.2 0.5~0.9
30代 0.7~1.2 0.5~0.9
40代 0.7~1.2 0.5~0.9
50代 0.7~1.2 0.5~0.9
60代 0.7~1.3 0.5~1.0
70代 0.8~1.3 0.6~1.0
➡ クレアチニン 2.0以上で腎機能低下の疑い、6.0以上で透析の可能性が高い
③ BUN(血中尿素窒素)
• 腎臓が老廃物を排出できるかの指標
• 正常値:8~20 mg/dL
• 50 mg/dL 以上で透析を考慮
2. 年齢別・性別の eGFR 平均値(参考)
年齢 男性 eGFR(mL/min/1.73㎡) 女性 eGFR(mL/min/1.73㎡)
20代 100~120 90~110
30代 90~110 80~100
40代 80~100 70~90
50代 70~90 60~80
60代 60~80 50~70
70代 50~70 40~60
80代 40~60 30~50
➡ eGFR 60未満で腎機能低下(CKD疑い)、15未満で透析の検討が必要
※eGFRは一年につき3ずつ下がりますので、
透析までの数値の差を3で割ると今のまま腎機能を放置した場合の
透析までの年数が計算できるということになります。
3. 透析導入の目安
以下の条件が揃うと、透析を開始することが推奨される
✅ eGFR 10~15未満(日本では 8~10 で開始することが多い)
✅ 血清クレアチニン 6.0~8.0 以上
✅ BUN 50~80 mg/dL 以上
✅ カリウム値 6.0 mEq/L 以上(高カリウム血症)
✅ 尿毒症症状(倦怠感、息切れ、吐き気、むくみ、意識障害)
まとめ
✅ eGFR 60未満で腎機能低下(CKD)、15未満で透析準備
✅ クレアチニン 6.0~8.0 以上で透析を考慮
✅ 年齢と性別で基準が異なり、高齢になると eGFR は低下
✅ 尿毒症症状がある場合は、eGFR 以上に早めの透析が必要
腎機能低下が進まないよう 食事管理(塩分・たんぱく質制限)、血圧管理、適度な運動 も重要です。
Backstage鍼灸院
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