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内なる願い

イタリア&ギリシャに行ったのは1996年の春。当時はバブルがはじけたとはいえまだまだ豪華新婚旅行ツアーなんてのが存在していて、確か7泊9日で一人50万円くらいだったと思う。だから二人でおよそ100万円。

私にとって初めての海外旅行だったので「フランス、ドイツ辺りなんかどう?」なんて言ってた女帝の言葉などフル無視だった。だって、あなたはフランスもドイツも行ったことあるんでしょ?

でも、今考えてみるとイタリアはまだしもギリシャは海外旅行で最初に行く国としてはミスチョイスだったのかもしれない。


Episode 1
イタリアでのこと。地下鉄に乗ろうと階段を下りて改札まで行くも、券売機は無い。窓口も見当たらない。あっ、「地球の歩き方」に書いてあったっけ、切符はKioskで売ってるって。でもそれも無いじゃないか。しょうがないので一度地上まで戻って近くにあった小さなスタンドのおばちゃんに聞いてみた、地下鉄のチケットって何処で売ってるの?って。そしたら、「ここだよ」だって!

Episode 2
そんなこんなで地下鉄に乗って行った先は「MITSUKOSHI, ROMA」。当時流行っていたETROのバッグが欲しいと女帝が前々から宣っておられたからだ。今はどうか分からないがローマの地下鉄は結構、危険だと言われていたのでドキドキしながらもホテルから片道20分くらいかけて。大体、三越なんて日本橋にあるじゃない?なんでわざわざローマ店に行く必要があるのさ。女帝の勅語によると、「イタリア本国でしか売ってないバッグがあるのよ」。三越にはお目当ての有難いバッグが売っていたのでお買い上げになるのかと思いきや、今一つお気に召さないご様子。「やっぱ、いいわ」。えっ!折角ここまで来たんだから買った方がいいんじゃない的な事を進言するも聞き入れられず、また地下鉄に乗ってホテルに戻ったのだった。想像どおり、1時間もしないうちに女帝は仰せられたのである、「やっぱ、欲しいからもう一回行こう」と。多分、ものの数時間のうちにローマ三越に行くために地下鉄で2往復した日本人はそう多くないはず。

Episode 3
ギリシャにて。アテネ国立考古学博物館に行くために一応、ホテルで行き方を確認する。こちらも英語は決して上手くはないが一流ホテルのフロントマンの英語も私と同レベル。外国語あるあるで、母語話者以外同士の方が話が通じるのである。さて、いざ街中に出ると当然のようにギリシャ文字だらけ。英語なんか一つも見当たらない。スマホなんか無いから、ちょっとそこらへんを歩いているグリーク・ジェントル・ビジネスマンに道を聞こうとしても英語は通じない。ってか殆どのギリシャ人は英語が理解できないらしかった。まるで日本じゃん!そんなこんなしているうちに昼時になったのでランチでもと思ったが、店という店が閉まっているのだ!そう、ラテン系民族特有の「シエスタ」ってヤツだ。飲食店が昼食時に休んでどうすんだよ!14時まで休憩だって。結局、アテネでもマックのお世話になったのだった。博物館はタダでさえデカいのに時間が無くて、全部見学できなかったのだった。


今はスマホやらAIやらの技術が発達しているから殆ど困ることは無いとは思うのだが、海外に行く時、特に非英語圏を訪れる際には現地の言葉を多少なりとも勉強してから行くことをおススメする。

ちなみに私はヨーロッパに行ったのは後にも先にもこの1回だけ。行きたいのは山々なのだが、飛行機に15時間とか乗るのは今となっては耐えられない。


ところで以前の記事で書いた「Tungsten(タングステン)」を聴いてヘヴィメタに多少は慣れた、という方はギリシャのメタルバンド「InnerWish(インナーウィッシュ)」なんかは如何だろうか?



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