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迫力のバレエ

ようやく仕事も一段落したので、これから数回に亘って私が今までの音楽人生の中で感じてきたことや思っていることを独断と偏見で記事にしようと思っています。一記事完結型にするので、長文になってしまうかもしれませんがご容赦ください。なお、これら一連の記事には  #拘りと偏見の音楽  というタグを付けておきます。

さて、第1回目はバレエについてです。皆さんはバレエをご覧になりますか?バレエを習っている方は別として、私の感覚ではバレエ音楽好きの方でもなかなか、バレエの舞台や映像をご覧になっている方は少ないように思われます。その要因の大きなものがバレエに対するイメージではないかと思っています。特に日本に於ける。

一番の原因は「バレエ=白鳥の湖」という固定観念です。これは、正しいとも言えるし、正しくないとも言えます。もちろん、チャイコフスキーの代名詞であるこのバレエは間違いなく素晴らしいです。これについて異論を唱える人はいないと思います。でもです、だからバレエは女性がチュチュを着て優雅で華麗に踊るものみたいなイメージが定着してしまっているように思います。確かにこれはバレエの王道であり大きな魅力であるのは間違いありません。しかしながら、正統派では無いにしろ、これに当てはまらないバレエも数多く存在します。

今回はそういったバレエ、私のような男性から見ても「カッコいいバレエ」の演目を3つほどご紹介したいと思います。なお、文章が長くなってしまうのでハイライト部分だけを解説いたしますので、全体のストーリーやその他の見どころについては興味がありましたら、Googleなどで検索していただきたいと思います。


1.白鳥の湖【チャイコフスキー】

あれ?直前でこのバレエを固定概念の塊みたいに言ってたじゃん!確かにそうなのですが、固定概念の塊になっているのは有名な「情景」の部分だと思います。(https://youtu.be/buzLoH0C-Es?t=12)
そもそも、このバレエのラストシーンをご覧になったことがありますか?ジークフリート(王子)とロットバルト(悪魔;ふくろう)との一騎打ちのシーンなのです。マリインスキー(キーロフ)版ではジークフリートがロットバルトの羽を捥いでしまいます(結構過激!)。音楽も先の「情景」のものが用いられ、大迫力かつとても効果的なので観客は否応なく惹きつけられます。ちなみにこのバレエのエンディングの演出はバリエーションが沢山あります。個人的にはハッピーエンドで終わって欲しいのですが。
【ツッコミポイント】
マザコンのジークフリート(王子)は一目惚れしたオデット(白鳥;姫)とオディール(黒鳥;ロッドバルトの娘)とをあろうことか間違えて求婚してしまうのです。そんな男ってどうよ!

【迫力のエンディング】


2.火の鳥【ストラヴィンスキー】

そもそも強烈な音響、変拍子など、ある意味異端なストラヴィンスキーが生易しいバレエを書く訳がありません。ラストの大団円の部分も良いですが、個人的にはやはり「カスチェイの凶悪な踊り」ですね。火の鳥に魔法をかけられたカスチェイ(魔王)とその一味が踊り狂う場面です。ストラヴィンスキーの初期バレエ3作(火の鳥、ペトルーシュカ、春の祭典)はいずれも上演時間40~50分程度と短く、話もわかりやすいのでちょっとした時間で観ることができます。ただし、クセがすごいですが。
【ツッコミポイント】
結局、火の鳥って何なん?

【カスチェイの凶悪な踊り】


3.スパルタクス【ハチャトゥリアン】

「剣の舞」でお馴染みの人です。剣の舞もバレエ「ガヤネー(ガイーヌ)」の中の一曲なのですが、私が彼のすべての作品の中で最高傑作だと思うのはもうひとつのバレエ「スパルタクス」です。このバレエは女性よりも男性がメインというとても珍しいものです。特にボリショイ版は大迫力の男性群舞が特徴です。古代ローマの史実をもとにした社会主義リアリズム的作品ですが、傑作は傑作です。ローマの官僚クラッススの捕虜となったスパルタクスが、仲間とともに蜂起するという内容です。その中でも、クラッススの屋敷に挙兵したスパルタクスが攻め入るシーンは迫力満点です。
【ツッコミポイント】
敵に情けは禁物。すぐに始末すべし。

【ガディスの娘の踊り~スパルタクスの勝利】


いかがでしたでしょうか?

最後に、バレエのDVDやBlu-Rayは密林で海外から出品しているものを直輸入すると、国内版より3割程度安く買うことができます。オペラと違って字幕は不要なので。ただし、到着まで平気で2~3ヵ月かかることもザラですが。これを機に海外の有名バレエ団の公演をご家庭で鑑賞するのも良いのではないでしょうか。踊りがあっての音楽ですから。


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