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ある数学オタクと音楽オタクの会話
数オタ:ねぇ、ねぇ、知ってる?
音オタ:何?
数オタ:約6年ぶりにさらに大きい「素数」が発見されたんだって。
音オタ:(興味なさそうに)へぇ、だから?
数オタ:インターネットなんかで使われているRSA暗号に素数が使われてるじゃん?
音オタ:(興味なさそうに)知らんし。
数オタ:RSA暗号をごくごく簡単に言うと、普通は300桁の素数Aと300桁の素数Bを掛け合わせた600桁の数ABを決めておいて、この数ABを素因数である素数Aと素数Bに戻せたら(素因数分解すると)錠が開くっていうことを利用して暗号化してるんだけどね、…
音オタ:ねぇ、この話って長いの?
数オタ:あとちょっと。で、この600桁の数ABを素因数分解して素数Aと素数Bを見つけ出す計算を、例えば日本一速いスーパーコンピュータ「富岳」にさせるとするとどのくらいの時間が掛かると思う?
音オタ:(興味なさそうに)う~ん、100日くらい?
数オタ:(誇らしげに)ブッ、ブ~~。1億年以上。
音オタ:ええぇっ!!!
数オタ:(畳み掛けるように)で、今回見つかった世界最大の素数っていうのは「881694から始まって、871551で終わる」、4102万4320桁の数で、しかもメルセンヌ数だから簡単に表せて「2¹³⁶²⁷⁹⁸⁴¹-1」なんだよ。富岳でさえ暗号解読に1億年以上かかる600桁の約7万倍デカい素数ってことなんだ。
音オタ:(目を見開いて)メルセンヌ!?
数オタ:そう、フランス人のマラン・メルセンヌ。
音オタ:💡💡💡!じゃあ、この曲を聴かなきゃ。
数オタ:なんで、この曲?
音オタ:大丈夫。1巻と2巻両方合わせてもたったの4時間ちょっとだから。