クレデンザ1926×78rpmの邂逅 #137〜Miles Davis “Dear Old Stockholm”(1952)
1952年5月9日。
そう、今からほぼ72年前にニューヨークで録音されたマイルス・ディヴィス・セクテッドの『ディア・オールド・ストックホルム』。
メンバーは以下の通り。
Miles Davis (trumpet)
Jay Jay Johnson (trombone)
Jackie McLean (alto saxophone)
Gil Coggins (piano)
Oscar Pettiford (bass)
Kenny Clarke (drums)
マイルス27歳。
ヘロイン中毒のどん底から這い上がろうとしていたマイルスに、ブルーノート・レコードの総帥、アルフレッド・ライオンが手を差し伸べて行われた、所謂マイルス・デイヴィス・オールスターズ・セッションの1曲。
どう聴いても「ヤクチュウ」の男が吹いているとは思えない。
アルト・サックスのジャッキー・マクリーンに至っては未だ20歳11ヶ月。
音が活き活きしている。
曲はスウェーデンの古い民謡で、マイルスもお気に入りのスタンダード。後にアルバム『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』(1956)でも取り上げている。
既にLP時代の録音で、セッション収録曲はLPにまとめられ発売されているし、マイルスの若き日の記録としてCDやサブスクでも聴ける音源。
しかし、しかしである。
本当の意味でのオリジナルはこの10inchのSPレコード。
LPやCDよりも遥か上を行くマイルスのトランペットの真髄を聴く思い。
音は太くかつ繊細。輝かしさと燻銀のような渋さが同居しているその音色に思わず気を失いそう。
盤のコンディションもebayのサイトで見た時よりいい感じ。
実際聴いていただければお分かりのように、煩わしいノイズも皆無。
クレデンザが喜んで再生してます。
これは本当にいい買い物をした。
もちろん、「金に物言わせた」というほど、つぎ込んでもいませーん。
因みに私的マイルスBEST 3は、順不同でこの”Dear Old Stockholm”と“Gal in Calico”、そして"It Never Entered My Mind"で決まり。
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