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ドイツ・グラモフォン"3S"のクリスマス・ソング~M.シュターダー, I.ゼーフリート & R.シュトライヒ~

ドイツ・グラモフォンの"3S"

少し前に1950年代から60年代を代表するコロラトゥーラ・ソプラノ、リタ・シュトライヒ(Rita Streich, 1920-1987 )のアルバムをご紹介した。

その中でシュトライヒと同時期に、ドイツの名門レーベル、ドイツ・グラモフォン(DG)はもう2名、当時を代表するソプラノと契約を結び、この3名が数多くの名盤を生み出していた、ということに触れた。
もう2名とはマリア・シュターダー(Maria Stader, 1911-1999)とイルムガルト・ゼーフリート(Irmgard Seefried, 1919-1988)。3人合わせて「DGの3S」である。

同じソプラノとは言っても、3名の声域や声のキャラクターは少しずつ異なっていた
もちろん、一部重なるオペラでのレパートリー(役柄)はあったし、歌曲ではそれは大部分で重なり合っていた。
しかし、実際の公演ではともかく、3人が揃って共演し、それぞれの特質を出し切れる、まさに夢のようなキャスティングが成り立つオペラ(ex.モーツァルトの『フィガロの結婚』、R.シュトラウスの『ばらの騎士』と『ナクソス島のアリアドネ』)があったにもかかわらず、そのプロダクションを持たなかったDGの罪は大きい、ということを綴らせていただいた(因みに、「シュターダー×ゼーフリート」「ゼーフリート×シュトライヒ」「シュトライヒ×シュターダー」と、2人ずつが共演した録音はすべて存在する)。

DGを少しだけ許してみる

そんなDGではあるが、「少しばかり免罪してもよかろう」という気持ちに傾く、3名それぞれがレコーディングしたクリスマス・アルバムがある。
今回はそれらのアルバムから1曲ずつを取り上げて、シュターダー、ゼーフリート、シュトライヒの順に続けてお届けする【ターンテーブル動画】を作ってみたので、ご覧いただければ幸いである。

【ターンテーブル動画】

シュターダーは1962年リリースの『In Dulci Jubilo』とタイトルされた12inchからポーランド民謡『Als Die Welt Verloren(世界が失われた時)』
続いて、ゼーフリートは1955年にリリースされた10inch盤の片面に収録されたドイツ・ロマン派の作曲家、ペーター・コルネリウス『 Weihnachtslieder-Zyklus(クリスマス歌曲チクルス) Op. 8』から『Christbaum(クリスマスの木)』
そして、シュトライヒは1959年リリースの『Freue Dich, O Christenheit』とタイトルされた10inchiからおなじみ『Stille Nacht(きよしこの夜)』
5分ちょっとの幸せなクリスマス小旅行、お楽しみあれ。

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