「帰国する」とは、帰る場所とは。(ひとりごと)
2年半ぶりの日本一時帰国。
「帰国」というワードがなぜこんなにも引っかかるのか。日本という国が帰ってくる場所という前提に、どうも違和感を感じてしまう。
帰ってくる場所って、なんなんだろう。
知らない人のために書くと、私はドイツに住む30歳。独身。リモートで働けるドイツの会社で働いているため、最近は色々移動しながらベルリンをベースとしてたまに移動しながら働き暮らしている。
今回の日本帰国は、祖母の体調が著しくないということで緊急で帰ってきた。幸運なことに、リモートワークをしている私は、日本からでも働けるためすぐに帰ってくることができた。しかし、これからいつまでも融通のきく職場であるとは限らないし、家族ができたりしたら、簡単に飛び帰ることはできるのか。今回さえ、直前にチケットを買うことができたが、値段は安くはないし、直行便があるわけでもない。乗り継ぎもたくさんあって、体力的にも結構応えた。
今まで、家族との距離感を寂しく感じることはあっても、今回の一件で色々考えてしまった。
家族と会えるのは嬉しいし、同時に苦しい。両親が自分の顔を見て喜んでくれることは嬉しいし、普段一緒にいられない分、一緒に過ごす時間は楽しい。同時に、両親が歳を重ねるほど、会うたびに「一緒に共有できなかった月日」というのを意識してしまうし、次いつ帰国するかわからないので「さよなら」や「また会おう」が寂しい。謎のホームシックに襲われる。(そもそもホームはどこ?)それならいっそ、帰らないほうが楽なのでは、、、だから、帰るのも久々になってしまったのでは。
この2年半、私がいない間に弟は結婚し、祖父も施設に入り、祖母は歩けなくなっていた。同級生は妊娠・出産。そんなライフステージの違いを目の当たりにする。
まるで、浦島太郎の気分。
幼少期や学生時代の友達も、どれだけ仲が良くても時間的・物理的距離と何月が重なると、離れていってしまうもの。そんなことわかっているけど、日本に帰ると、毎度その現実を突きつけられる。
6年前海外移住を決意して、後悔はない。けれど、なんでも得るものあれば失うものもあるもの。
「海外生活、大変?」とか聞かれることもあるが、人生どこに住んでいても大変なことはあるわけで、特にドイツに引っ越したからどう、というのもない。でも、ちょっと家族や生まれ育った場所から距離のあるところに移住したからこそ、感じるペインポイントというのを、体感する2週間でありました。
特に、家族と友達。人間関係。
今、こうして日本に滞在している間に、ベルリンの友達と一緒に過ごせる時間を失うのも寂しいもの。親友の誕生日に出られない、ランニンググループの集まりに顔を出せない。妊娠中の友達のサポートができない。
誰か、どこでもドアを作ってくれ。
そんなことを悶々と考えていたら、思いっきり頭をぶっつけた私。それ以来、頭痛が止まらず体調不良。病院に行こうなんて思っても、そういえば健康保険ってどうなってたっけ?電話したいけど、日本の電話番号持ってないし。日本に住んでた時に当たり前にできていたことが、できない。そうだ、もはや私は日本に住民票を持たない、訪問者に過ぎないのだから。
日本のパスポートを持っていても、どこか距離を感じるようになってしまった母国。そして、永住権を取得したものの、市民権は持てないドイツ。国と国、制度と制度、文化と文化の間に宙ぶらりんになっている私。なんか、拠り所がどことも存在しない、この地に足がつかないフワフワした感じ。気持ち悪い。
と、今日みたいな体調が悪くて、雨の降る寒い日には特に感じてしまうのです。
なんてまあ、先進国日本という恵まれた国で生まれ、いざという時助けてくれて愛してくれる家族と、泊まる場所と、給料をくれる会社があるのだから、何甘ったれているんですか、って感じですよね。
帰ってこれる場所があるだけ、本当にありがたい。
帰りたくても、愛する人がいる場所に戻れない人がたくさんいる。帰ってくる国というもの自体、存在しない人。国はあるけど、戦争・紛争やいろんな理由で帰れない人。国はあるけど、愛する人は別の場所にいる人。思い出の土地と愛する人が別々になってしまった人。愛する人が散らばってしまった人。
会える時に会える。肌に触れる。大好きっていう。ハグする。お風呂に一緒に入る。ありがとうって言う。それだけで、十分で幸せなのです。帰る場所は一つでなくていいし、帰る場所に対する想いというのも変化して当たり前なのです。だから、以前感じていた「帰国」と今の「帰国」の違いに違和感があって当たり前。帰る場所があるってだけで、その定義や感じ方なんてどうでもいいです。(無理矢理まとめた!)
なんなのでしょう。寒くなってくるとメンヘラスイッチが入るのです。全くまとまらない文章で失礼。ほぼ自分慰めのために書く今日この頃でした。
お身体には気をつけて。