ダブルバインド(二重拘束)
ダブルバインドとは
ダブルバインド(二重拘束)とは、矛盾する2つのメッセージを同時に受け取り、受け手に心理的ストレスや混乱を引き起こす状況を指し、1956年にアメリカの精神科医グレゴリー・ベイトソンによって提唱されました。
ダブルバインドは、職場や家庭など日常的な場面で発生し、特に上下関係や依存関係がある状況下でより顕著に現れる傾向があります。
例えば、上司が部下に「自由に意見を言ってほしい」と伝えながら、実際に意見を述べると批判や非難をするような場合がこれに該当します。
このような状況に置かれた受け手は、どちらの指示にも従えず、強いストレスや葛藤を感じることになり、ダブルバインドの状態が長期間続くと、精神状態に悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
また、ダブルバインドには「肯定的ダブルバインド」と「否定的ダブルバインド」の2種類があり、特に否定的ダブルバインドは相手に大きな苦痛を与える可能性があります。
そしてメッセージとメタメッセージのように、メッセージにメッセージが重なるので、複雑に折り重なる情報伝達となります。
コミュニケーションには言葉によるメッセージだけでなく、ボディランゲージ(身体表現)や表情も含まれるため、受け手は「何が適切か」をピンポイントで判断する必要があります。
私の場合、自我を通して情報を明確に処理できない幼少期から夫婦喧嘩を見て育ったので、自分に関係あるのかないのかわからないまま、わかる言葉や目に見える状況で情報を処理していたようです。
もともと自分の気質に物事を突き止めたいという強い衝動が背景にあるので、メッセージとメタメッセージの互換性に悩んだのだと思います。
その過程で「自分が悪い」と考えれば「誰も傷つかない」ということに気がついて、自分にそう言い聞かせる事を自然に選ぶようになっていました。
そうしているうちに自分が他者に「どのように思われているか?」ということを前提に思考を組み立てることが習慣になり、自分にウソをつくことが増えていったのです。
自分が見ている整合性もない幻想にむりやり理性と理屈を当てはめていくので、矛盾するのも仕方がないと思います。
関係性を構築するための言語的メッセージと非言語メッセージ。このやりとりが親子関係で二重拘束を生み出していたのは事実だったと思います。
それを理解するには幼すぎました。親子関係は、その後の人間関係の構築方法に影響するので、注意が必要だと強く思います。
認知の歪みや愛執を愛と錯覚するなど、特に日本語は主語を省いても会話が成立することが多いので、コミュニケーションに矛盾が多いなかで生活を送ると、メッセージの意味を正確に判断する事が難しくなってしまいます。
これは、受け取り方だけではなく受け取った後の感情にも影響していました。時系列で要約します。
二重思考に至るプロセス
この負のループを抜け出すために、日常生活で気をつけているコミュニケーション方法をまとめました。
大切に心がけている事
必ず主語を相手に伝える
自分を主語にした場合、人を巻き込まない
同じ意見が先に出ていても主語を加えて話をする
そのように思った理由を必ず説明する
その理由が相手の意にそぐわない可能性があっても誤摩化さない