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どんどんちいさくなる農家
一般的に無農薬の生鮮野菜の場合、夫婦二人で少量多品目なら、プロとして収益をあげてやって行くためには、露地なら1ha〜2haの広さは必要と言われていて、さらに米や麦、大豆といった穀物だと、必要な広さは桁違いになる。米の場合、60haがスタートラインで、大規模農家になると200ha、600ha、地域によってはその何十倍以上、てゆうのが大規模農家の世界なのである。
突然なにいいだしたの?!haってなに?
ha=ヘクタールと読みます。5haが東京ドームの敷地面積(駐車場も合わせた)と言われていて、つまり、米作って専業で換金して生活するなら、
最低でも東京ドーム13個分と、それに見合う大型の農機が必要ということです。
これまでの一般的な農家のたくさん売り上げをあげるための考え方は、
「広い敷地で」
「大型の機械を一気に使って」
「手間を省いて早く育つ品種、多収の品種、新しい品種に取り組む」
という考え方が農家の売り上げをあげる考え方の基本です。
もちろん、施設栽培で効率化を図る、売り先をBtoCに変える、品質を高めて客単価をあげる、などなど、売り上げUPの施策はたくさんありますが、ここではまず「農作物の可能性」のみに着眼して話をすすめて行きますね。
ミーの収益の柱となるのは、マイクロリーフです。
ここで反収という側面でマイクロリーフを見てみましょう。
反収とは・・・一反(約0.1haあたりの収穫高=売り上げ高)
作物によって反収は異なります。小さい面積で、たくさん採れて、高く売れるものが「反収が高い」ということになりますね。
反収が高い農作物の例をあげますね。
・ミニトマト(施設栽培)407万円
・いちご(施設栽培) 360万円
・きゅうり(施設栽培)243万円
なるほど、ミニトマト、いちご、きゅうり。たくさんとれてよく消費されるもの。ハウス栽培農家が多いのもうなずけますね。
ちなみに一般的なマイクロリーフの反収は、1200万円と言われています。
なぜこんなに高いのか。
理由その1:栽培期間が短い。平均14日で収穫。つまり、一年で26回作付けできる。
理由その2:高単価で売れる。15g 200円〜500円まで狙える。そもそも、市場に価格があってないようなもののため、他にない新しいラインナップは自分で値付けできる。つまり、まだまだブルーオーシャンである。
反収1200万円ということは、1平米あたりに換算すると年間12,099円の売り上げを出さないと実現しないわけです。(10a=991.74平米)
もちろん、これはあくまで計算上のこと。弱点もあります。例えば、マーケットが非常に少ない。例えば、栽培管理のノウハウが確立していない。例えば、とっても人手がたくさんかかるので人件費がかかる。
世の中、美味しい話なんてないのであります。
しかし、結論からいきますと、
ミーは露地で作ってた時代からハウス栽培に移行し、売り上げは10倍になり、2019年は0.17haの広さで目標の反収1200万円を実現することができました。
初年度だったので売り上げはほぼすべて経費に消えましたが(笑)
さあ、ここでミーの例を見てみましょう。
ミーのハウス
ミーの圃場の全敷地面積は、およそ50a。ビニールハウスは9棟。一棟は調整場なので、栽培面積は17.2a。
たった0.17haしかないのである。地元の小学校のグラウンドより小さい。
使ってる農機は、管理機(家庭菜園で使うくらいの大きさの手押しの耕運機)と、軽トラックより大きな機械は持っておりません。
2019年はハウス栽培1年目で、わからないことだらけ、効率も生産性も悪い中、このような結果が出せたので、今年度移行はもっともっと効率よくできそうです。スタッフもどんどん成長しております。
つまり、この先もっと無駄がなくなり、規模はどんどん小さくなっていく。
マイクロリーフの考え方は1平米でどれだけ稼げるかであり、今の0.17haでいかに効率よくどれだけの売り上げ高をだせるか、無駄をなくせるかの挑戦がまだまだ当分続けられるので、人材育成や大規模化に向けて、投資し続けなくても良いのです。
さて、そんなマイクロリーフですが、これはあくまで経営論で見た一般的なマイクロリーフのお話。ミーがやりたいマイクロリーフはそことはまったく別のところにありました。しかし「農業はお金にならない」信仰が根強くはびこるこの日本で、「本当に真心込めた本物を作り、届け続ける」ためには、お金の話をどのように向きあうか、切ってはきれないからなのです。
次回は、ミー真野文宏が農民になり、マイクロリーフ、エディブルフラワーについての出会いの物語について書いていこうと思います。
なんと、農民以前は真野文宏、ピアノ弾いてたらしいとか・・・!
お楽しみに!