ドキサゾシンが中止になった高齢者
80歳の女性。今日は血圧が高かった。それに、時々薬を飲み忘れると言ったら、薬が変更になりました、との事です。
処方内容です。
Rp1 カンデサルタン 8mg 1錠
アムロジピン 5mg (2.5mgから増量)
朝食後 (ドキサゾシン2mg中止)
Rp2 エゼチミブ 10mg 1錠
ロスバスタチン 5mg 1錠 (前回までは2.5mg)
夕食後
Rp3 メトホルミン 250mg 2錠 1日2回 朝夕食後
疾患としては1高血圧症、2脂質代謝異常、3糖尿病です。
血圧は診察時で160/90,LDLコレステロールが155、LH比が2.4でした。
今回中止となったドキサゾシンはα1受容体を社団し、末梢血管抵抗を減少させ降圧作用を示す。利点として血清コレステロール値低下、HDLコレステロール値上昇、TG低下作用がある、電解質、糖、尿酸等の代謝に影響を及ぼさない、血漿レニン活性に及ぼす影響が少なく頻脈をきたしにくい。しかし、起立性低血圧を起こしやすいという欠点がある。心血管イベントの抑制効果は証明されておらず、第一選択からは除外されている。
ドキサゾシンを服用していてもコレステロール値の悪化が認められた事、高血圧薬の効果としても不足気味だった事、患者さんから「シンプルな処方にして欲しい」との希望があった事から処方が見直されたのでしょう。
服薬指導・・・今日は血圧の薬が変更になっています。今まで飲んでいた薬が1種類中止になり、代わりにアムロジピンが増量になりました。アムロジピンは高血圧の薬ですが、効果発現は穏やかで、降圧効果に優れた薬です。高血圧を治療する意味は脳や心臓の血管が硬くなったり詰まったりして命に危険が及ぶのを防ぐためです。アムロジピンは特に心臓を取り巻く血管を保護する効果があります。血管を広げて血圧を下げるため、立ちくらみに注意してください。また、歯のお手入れをおろそかにする人に多いのですが、歯茎が腫れてくることがあるので歯のお手入れはちゃんとするようにお願いします。
また、コレステロール値が少し高く、悪玉(LDL)と善玉(HDL)とのバランスが悪いため、薬が増量となっています。今の状態が続くと、動脈が硬くなり、先程のべた危険が高まるため、改善が必要です。薬が増量となったため、筋肉痛や脱力感、褐色尿があった場合は薬を中止し、速やかに受信してください。
食品との飲み合わせでは引き続きグレープフルーツ(ジュースも含む)は取らないようにお願いします。
今日はこんなところでしょうか。
できれば数日後に過度の血圧低下がないか、筋肉痛などがないかを電話で確認すると良いです。
次回のアセスメントは
飲み忘れはなかったか、服用中の体調変化はなかったか、検査値から、効果は出ているか、腎機能は問題ないかを確認します。
長期的なアセスメントとして、高血圧、脂質代謝異常、糖尿病のコントロールはズバリ、心血管イベントの抑制だということを理解させることになります。