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私立恵比寿中学(エビ中) 「秋声と螻蛄と音楽の輝き 題して「ちゅうおん」2021」
事前に予約をしていて、直前までフラゲ日到着予定だったのにもかかわらず、タイトルは「本日到着予定」なのに中身は「明日到着予定」というバグったような表記に。
今日なの?明日なの? pic.twitter.com/DPpSbvTmEt
— DB🎧 (@DB_ebisu) December 21, 2021
確実にフラゲ日に届かないことがわかった夜の段階では、最遅27日とのこと。だし学芸会の日ではないですか。。。
なぜそうなる? pic.twitter.com/r4uh4YnOc2
— DB🎧 (@DB_ebisu) December 21, 2021
結局のところ、発売日の朝8時20分ごろに宅配ボックスの中に届きました。
朝イチでPCに取り込んで(当然Apple Losslessです!)、仕事中のBGMとして1日聴き込んで、noteを書き始めました。いつもの通り1曲ずつではあるのですが、大学芸会前にアップしたいと思い、ちょっと慌てて書きましたので雑なところがあったらすみません。
ティザーはこちら
1曲ずつ思ったことを書く前に、今回の選曲について、作家さんの観点で見てみたいと思います。
今回、田村歩美(たむらぱん)さんが作詞作曲した曲が「誘惑したいや」「大人はわかってくれない」「イエローライト」「COLOR」の4曲。女の子が大人になっていく心情をエビ中に寄り添って色々なタイミングで提供してきたということかと思います。新メンバー3人が入って、中高生の女子の気持ちを表現することへの説得力も増えたのかなと思いました。
それから、池田貴史さんと川谷絵音さんが2曲ずつ。池田さんの「頑張ってる途中」「なないろ」はこちらもエビ中のその時を見事に切り取ったものだと思います。また、川谷さんの2曲は、エビ中の音楽的な幅を表現する非常に難しい曲かと思います。そういうところもやっていける、という気持ちの現れかと感じました。
そして、特筆すべきは、高橋久美子さんが作詞した曲が3曲あることです。「朝顔」「青い青い星の名前」そして「シャングリラ」!
01. LIFE feat.bird
イントロが長いところが、期待感を煽ってとてもいいです。ちゅうおんの1曲目はイントロが長くないといけませんね。
曲の雰囲気にあわせ声の数が増えたり減ったりしながら、サビでの全員のユニゾンで開放感を感じるところがとても気持ち良いと思いました。こういった9人という人数をうまく使う表現が、学生の頃に国語の授業で出てきた群読っぽいなと思いました。
群読 (ぐんどく)
複数の読み手による朗読。単独での朗読や唱和などを組み合わせることで、迫力や芸術性を生む。小学校の卒業式の呼びかけは群読の行事である。
02. summer dejavu
次は一曲を通して全員でのユニゾンです。6人のユニゾンは本当にきれいだったので、9人のユニゾンがどうなるかなと思いましたがとても良いですね。人数が増えたことで音の厚みが増えさらに迫力が増していると思います。
03. 誘惑したいや
「誘惑したいや」大好きおじさんのいつものやつ(下のtwitter参照)がまだできていないのですが、非常にバランスが良いなという印象です。色々な声が上手く混ざり合って、ビジネスでよく言われているダイバーシティの強さみたいなものを感じました。
「誘惑したいや」大好きおじさんがすることといったらこちら。
— DB🎧 (@DB_ebisu) August 19, 2021
2020と2021とでは随分とミックスが違う印象。新メンバー以外のボーカルトラックは同じでした。#エビ中ライオット #エビ中 pic.twitter.com/TdQJt39FuI
04. 朝顔
ちゅうおん2018バラードバージョンの、真山さんー星名さん、安本さんー小林さん、柏木さんー中山さんの3つのペアのハモリがとても好きで、これでエビ中の沼にハマったと言っても過言ではないのですが、原曲バージョンのこちらも、やっぱりいいですね。新メンバー3人のセリフが実に甘酸っぱいです。
05. 頑張ってる途中
ここまでの4曲はひとりで歌うパートが少なかったり、セリフパートだったり、あるいは若干緊張感のある曲だったりと、ちょっと真面目で堅めな印象だったのですが、この曲でメンバーのみなさんがどういう感じなのかが一人一人の声からわかり、なんだかとても楽しそうに嬉しそうに歌っているなあと感じました。
06. 大人はわかってくれない
いつだったか真山さんが、最初の「ぜ」に命をかけている的なことを言っていたように記憶していて、それ以来「ぜ」に注目しているのですが、今回は強さではなく深みを感じる「ぜ」と感じました。受ける「圧」はとても高いです。
そしてみなさん、圧が強い歌い方をしているのですが、特に小林さんが強めに歌っているところが良いです。
07. トレンディガール
1番Bメロの「知りたい知りたい」「演じてみたい」「作りたいな」「愛してみたい」のところ、中山さんを軸に、安本さん→小林さん→星名さん→真山さんの順番でかなり難しい音程でハモるところがカッコ良いと思います。そして、それを受ける形の柏木さんの丁寧な歌い方が素晴らしいです。そしてBメロ最後に柏木さんと中山さんの「自分の人生」。自分の人生を自分でコントロールしようとする意気込みを感じます。
08. フユコイ
2年前のフルバッテリー・サラウンドの時のバラードバージョンが大好きで何度も聴いているのですが、ちゃんとロックしているのもやっぱり良いですね。今回、星名さんの歌声がいつもより若干鼻に掛かっているのですが、1番Aメロ出だしの歌詞の切なさをより助長しているように思いました。
そして、真山さんの「哀しみだけをぎゅっと胸に閉じ込めたなら」の「なら」にグッときています。
09. イエローライト(ちゅうおん ver.)
スタジオ録音版よりも先にライブ版が出ました。アレンジが違うことでスタジオ版とは違うものとして捉えられるような気がします。
そういえば1年近く前、イエローライトの歌詞についてこんなことを考えていました。
10. シャングリラ
実に小久保さんの雰囲気とあっていて良いです。
途中で、息が続かなくなったのか慌てるような部分がありましたが、それも含めて実に良いです。小久保さんのまっすぐな感じが伝わります。
11. CITRUS
安本さんの、ブレーク後の爆発力が最高です。
安本さんの発音は「わ」「を」の時に「W」の音がとても強くて、それがとてもいいと思っているのですが、この曲でたくさん出てきてとても良いです。
12. 真夜中のドア〜stay with me
真山さんでJapanese City Popのカバーアルバムだしてくれないかなと思います。真山さんの憂いが80年代のニューミュージックに見事にフィットすると思うのです。また、その憂いは、声質というところもありますがジャストよりも若干レイドバックした重めのリズムでの表現の仕方にあると思います。とても見事だと思いました。
シティポップといえば、の竹内まりやのPlastic Love。ちょうど新しいOfficial Music Videoもできたのでご紹介。これを歌って欲しいなあと思います。(ワーナーだからちょっと難しいかも・・・)
13. ダンデライオン〜遅咲きのタンポポ
風見さんの素直さをそのまま表現したような素直な声が見事に映える選曲。ビブラートしない歌い方がマッチしています。これは原田知世さんのバージョンであって松任谷由実さんのバージョンではないという感じがします。この素直さをベースに、今後どういう形に発展していくのか、とても興味があります。楽しみですね。
14. 黒毛和牛上塩タン焼680円
エビ中をじっくり見るようになってから、メンバーのみなさん歌がさらに良くなって表現の幅が広がっているのですが、その中でも小林さんのレベルアップがすごいと思っています。テクニカルにはかなりピッチが良くなったのかなと思いますが、その結果として、ブルーノート的な表現に不安を感じることがありません。出だしのアカペラの「だぁぃすきよ」の「よ」でのベント。少し下がってから元に戻るところの気持ちよさはすごいですね。
15. 深夜高速
桜木さんの歌声にはなんとも言えない哀愁を感じるのですが、THE FIRST TAKEでのフラワーカンパニーズのものを聴いて、なるほどと思いました。
この哀愁は、真山さんの憂いとも安本さんのブルーズとも違う感じがしていて、明るくない面の表現の幅がこれだけ広いことがエビ中の強さにつながってくるのではないかと思いました。
この哀愁は、岡崎体育さんのバージョンにはない感覚です。別に体育さんのバージョンが悪いということではなくて、違う気持ちが違う表現になっているということです。
16. GLAMOROUS SKY
星名さんはこういうどストレートなロックが良いですよね。2020年のSupefly「タマシイレボリューション」に続いて素晴らしい選曲と思います。
1番のAメロ、Bメロと星名さんの憂いを感じられる歌い方が素敵です。そしてサビで爆発したあと、ダメ押しのように「眠れないよ!」でEから1オクターブ上のEにジャンプするところがなんともカッコ良いです。
17. ナンダカンダ
本当に選曲が素晴らしいと思うのですが、これは特にぴったりだと思いました。中山さんの瞬発力・爆発力がうまくフィットしていると思います。
これは作曲が浅倉大介さんなんですよね。浅倉さんといえば自分の世代的にはT.M.Revolutionですよね。
18. 白日
柏木さんの気合いを感じます。気合いというよりは鬼気迫る感じ。その後お休みに入られたことは本当に良かったんだろうと思います。
1番では裏声を使っていたところを2番では地声で行くあたり、完全にぶちかまされました。
19. 青い青い星の名前
曲の後にバンドメンバー紹介があり、それがCDになっているのがとても良いです。ここのファンクな感じはずっと聴いていられます。個人的にはここで、Average White Bandっぽさを感じました。
20. 中人DANCE MUSIC
こういうフィリーソウルな感じがとても好きなのと、最近のライブでは聴くことができなかったのでかなり嬉しい。最近の歌声で聴きたいがためにこちらをよく聴いていたら、SPOTIFYの個人年間再生ランキングTOP10に入っていました。
21. なないろ(THE FIRST TAKE ver.)
THE FIRST TAKEのなないろには、いろいろな思いがありました。ここでまた聴けたことでその思いが蘇ります。
22. 約束
2018年のちゅうおんでの「約束」が大好きで何度も何度も繰り返し見たので、今回も聴けることがとても嬉しかったです。
ギターのイントロのリズムから一転して随分早いリズムをカウントなしで歌い始める柏木さんに感心しました。
小林さんの「いつかまたねって手を振って」のところでブレークするところが本当に好きで、2018年の時と同じアレンジで嬉しかったです。
23. 蛍の光(ちゅうおん ver.)
DEMOがとれたというところにグッとくるところですね。
桜木さんの「でもなんかそれが嬉しくて」が、お母さんのやさしさを感じたけれど、それを直接表現できない高校生のぶっきらぼう感を感じて、数十年前の甘酸っぱい思い出が蘇ってきました。終わらない青春です。
24. イヤフォン・ライオット
蛍の光で終わっても良い流れだと思いましたが、最後にこちらが入ることでとても明るい感覚をもって終わることができて良かったです。ホーンセクションが効いていますね。
「はみ出し者だ」の小久保さんの歌い方がとてもプロっぽくなっていて、この短い間の特訓(だと思います)の凄さを感じます。やはり9人体制の最初の曲ということもあり、新メンバーの歌がどうだろう?という気持ちで最初聴いていたこともあり、このちゅうおん版で3人の歌い方が随分変わっているなと気づきます。
Bonus Track 01. COLOR
真山さん・桜木さん、星名さん・小久保さん、安本さん・風見さんの組み合わせで歌うところ、なぜこの部分なのかがとても興味があります。どういう話でこういった形になったんでしょう。。。
Bonus Track 02. あなたのダンスで騒がしい
大好きな曲なのですが、これ速くてバンドの皆さんのご苦労が偲ばれます。サビのところのホーンセクションがとても勢いがあって好きです。そして、落ちサビのところのストリングスがとても良い転換となっていると思います。とても複雑な曲なのですが、そうと感じないところが良いです。
Bonus Track 03. 自由へ道連れ
この曲はなんといっても、クローズしたハイハットと自由なベースだけのバックにのっかる安本さんのAメロ歌い出しが最高です。
「この現し身は〜」の「は〜」のところでブルーノート的にベントするところがとてもカッコ良い。
ベースを弾きながら、とはいいませんが、ウッドベース1本で何か歌って欲しいなあと思いました。こんな感じが素敵です。
ちなみにこちらは、石川紅奈さんによるMichael Jacksonの「Off the Wall」です。原曲とは随分違うようでいて、骨格が見事に再現されている上に、特徴的なリフが終わった後のサビ?のグルーヴ感というか、スウィングしている感じとかが、とても素晴らしいと思います。
まとめ
こうやってそれぞれに感じたことを書いて、関連しそうな曲をリンクすると、あまりの幅の広さに改めて驚きます。幅広い音楽性と、それを表現できる多彩な声がやっぱり魅力だなと思います。
そして、いよいよ明日は大学芸会です。初登校が叶います!実に楽しみです。
昨年、一昨年の大学芸会のアルバムへの感想はこちら。