見出し画像

ミレ二アル〜Z世代の心を鷲掴み!中国版YouTube「bilibili」って知ってる?

はじめに

中国版YouTube「bilibili」って知っていますか?Z世代に大人気の動画プラットフォームで、そのコンテンツはユーザーに合わせて独自の進化を遂げました。

今回は、中国の動画コンテンツのトレンドやプロモーションのポイントを紹介して行きます。

月間アクティブユーザー2.37億、中国版YouTube「bilibili」

「bilibili」(ビリビリ)は中国で大人気の動画共有サイトです。2009年に二次元ファンへ向けた動画投稿サイトとして誕生しました。2021年Q2のデータによると、MAU(月間アクティブユーザー)は2.37億に達し、35歳以下のユーザー(ミレ二アル〜Z世代)は86%を占めます。

画像1

画像2

(引用元:https://www.bilibili.com/read/cv5974062)

特に、GDPの高い広東省、浙江省、江蘇省、山東省をはじめとする沿海地域と主要都市に在住する社会人ユーザーが多いのが特徴です。これらの地域の人々は、教育水準が高く、新しいものや多文化を受け入れやすいです。

コンテンツは、アニメーション、映画などの配信に加えて、ユーザーによって制作されるPUGV(Professional User Generated Video)の内容がメインとなっています。

急成長を遂げた要因

bilibiliがここまで急成長を遂げた要因はなんでしょうか?bilibiliは、ユーザー体験を第一に考えることで他の動画サイトと差別化を図ってきました。特に使いやすさと、各機能の多様性を高め、様々なユーザーに楽しんでもらえることに重きを置いたのです。

その一つに、ミッドロール広告の廃止が挙げられます。ミッドロール広告とは、動画再生中に挿入される広告で、広告が配信されてから数秒はユーザー側でスキップできない仕組みの事です。

皆さんも、動画が盛り上がっている所で広告が再生され、スキップボタンを連打した経験ありますよね。そんなユーザーの不満に着目したbilibiliは、再生中に広告を挿入しないことを宣言しました。

さらに、bilibiliはニコニコ動画が開発した「弾幕」と呼ばれる機能を初期から導入していました。「弾幕」は再生中に画面上部に視聴者のコメントが流れてくるサービスのことです。これにより、ユーザーのアクティブ性を高め、誰かと感想を話しながら動画をみているような、ユーザーの共感心理を満たす事に成功しました。

さらに、bilibiliは動画配信に留まらず、オリジナル番組の制作、漫画配信、スマホゲーム運営、リアルイベントの開催などにも業務の幅を広げて行きました。

画像3

(PC版bilibili動画TOPページ)

ユーザー数の増加に合わせて、コンテンツも多様化させていったのです。

元々オタクのユーザーが多かったbilibiliですが、一般人ユーザー向けにも、アニメーションの二次創作からグルメ、生活、ファッション、テクノロジーなどの投稿が増えて行きました。

PUGV(Professional User Generated Video)を中心とするbilibiliのコンテンツは、動画の質が高く、UP主との距離が近いのが特徴です。KOLといっても、身近な友達のような信頼関係が存在しています。これもユーザー体験を高めることに貢献しました。

bilibiliには、「一週間トレンド動画ランキング」と「入站必看(Bilibiliユーザー必見)動画」などのおすすめ機能があります。ミッドロール広告がないため、ユーザーはだらだらと暇つぶし感覚で動画を視聴する傾向があるので、おすすめとして、露出した動画は、視聴される可能性が非常に高いのです。

そのため、ユーザーは同じ動画を視聴した可能性が高く、bilibiliユーザーしか知らないネタ、流行語など視聴者しか知らない情報を通して、所属意識を形成します。ユーザーに架空のコミュニティに所属しているかのような満足感を与えることができるのです。

次に、bilibiliの広告の形を合わせたZ世代向けプロモーションの戦略について紹介して行きます。

 ミレ二アル〜Z世代の心を掴むプロモーション戦略

重複しますが、bilibiliのユーザーは86%が35歳以下のユーザーです。bilibiliには、ミレ二アル〜Z世代の心を掴むプロモーション広告がいくつかあります。

①サイト内の広告枠、bilibili起動画面の広告

動画再生中に広告を入れる事は出来ませんが、サイト内にフィード広告、バナー広告などの枠が設置されています。ユーザーを引きつけるため、人気の二次元キャラクターを使って宣伝したり、人気IPと連携するパターンが多いです。

画像4

(引用:[http://shadingyuwenhua.com/index.php/list/25.html])

②UP主にPR投稿依頼するインフルエンサーマーケティング

bilibiliで動画等のコンテンツを投稿する人たちはUP主と呼ばれています。フォロワー数の多いUP主はインフルエンサーとしての影響力を持つので、UP主に直接宣伝を依頼する手法も主流です。

bilibiliのUP主は人気が高く、ユーザーからの信頼も厚い傾向があるので、多くの視聴者に広告を届けることが出来ます。

こういった広告動画は「恰饭」と呼ばれます。中国語のそのままの意味はご飯を食べるという意味です。「UP主も、ご飯食べるから広告依頼を受けても仕方ないよね」というユーザーの寛容的な態度からそう呼ばれるようになりました

画像5

あるUP主のアンケート結果によると、bilibiliのユーザーは有用性のある内容の広告に対して、抵抗感が少なというデータがあります。

視聴者が退屈しないように、UP主はとても工夫しているので、動画の中にどういう形で広告を出すのか、楽しみにしている視聴者も少なくありません。再生画面には、広告動画を見た視聴者が、商品を購入しやくなるような機能を備えています。UP主のサイト内には、ツイッターのような「つぶやき機能」があり、動画画面にリンクを貼ることで、ECプラットフォームの商品購入ページに直接飛ぶことができ、動画の視聴から購入に至りやすい仕様になっています。

③ライブ配信

bilibiliはゲーム実況配信などに注力してきましたが、市場価値の向上とともに、マーケティングの面でも広告主の注目を集めています。

注目される理由は、様々な機能を完備したライブコマースのプラットフォームの存在です。例えば、bilibiliでは、人気UP主を誘って新製品発表会のライブイベントを開催する事例が多くあります。

この場合注目度も高く、非常に強力なプロモーションになります。このプロモーションに向けて、広告主は配信前の予告期間に、起動画面やサイト内広告枠を用いて宣伝を行い、ユーザーの注目を得ます。

予告ページでは、人気UP主の登場時間が記載された、ライブ配信のスケジュールが見れる仕組みになっています。ライブイベント当日になると、ライブ配信を盛り上げる様々なコンテンツを利用することができます。

画像6

配信ページ、投げ銭エフェクト、製品紹介ページなどを再生画面にカスタマイズできます。視聴者が参加できる自動抽選機能もあります。

ライブイベント終了後、ユーザーから新製品のレビュー、あるいはイベントの二次創作の投稿など、質の高いコンテンツを募集する活動を開催します。商品への持続的な関心を求め、プロモーション効果をさらに高める事ができるのです。

④公式チャンネル

公式チャンネルを運営することは、若者に親しみを持ってもらえる効果があります。

公式チャンネルを開設したら、ライブ配信、動画投稿機能を活用してみましょう。公式チャンネルでは、専用ホームページなどの機能と公式マークがあり、一般ユーザーと差別化することが出来ます。

bilibiliには特有の文化があり、広告主は、プロモーションを行う際に、ユーザーに寄り添う必要があります。

例えば、フォロワー数18.2万、再生回数は2万を超える動画もある「マクドナルド」の投稿は、「我要下班(退勤したい)」などといった、ユーザーの共感を呼ぶタイトルとテーマで動画を投稿しています。

逆に、再生回数低い動画は、ユーザーに寄り添うような要素がない物が多いです。

画像7

画像8

若者顧客へのプロモーションを拡大した、スマホメーカー会社XIAOMIは、公式チャンネルに創業者兼CEOを務める雷軍の写真をアニメタイトルに入れたり、

「Are U OK?」(雷軍の英語アクセントを嘲笑した流行ワード)を自ら動画のタイトルに入れ、注目を集めました。CEOをネタにした広告は斬新で、大きな反響を得ました、注目を集める方法は様々です。

広告の見出しも内容も、友人とのカジュアルな会話のようなスタイルを使って、ユーザーが好きなアニメや二次創作の用語などを多用することで、ユーザーとの距離を縮めることができます。たとえ広告だとわかっても、ユーザーは「面白いからフォローしたい、見てみたい!」と思ってくれます。

投稿内容をbilibiliのユーザーに愛される内容にする事で広告効果は格段にあげる事ができるのです。

まとめ

中国版YouTube「bilibili」、いかがだったでしょうか。bilibiliはその斬新なアイディアで特有の文化を形成し、Z世代の心を掴んで来ました。

2020年7月には、公式KOL広告プラットフォーム「花火」をリリースしました。「花火」を通して、広告主は、UP主のクリエイティブ分野、フォロワー数とフォロワーの特徴、などによってUP主を指定して広告を依頼できるようになりました。

次回の記事では、企業が過去にbilibiliを使ってどんなプロモーションを行なってきたか紹介していきたいと思います。

従来のWEB広告、UP主による動画シーディング、だけでなく、bilibili特有のプロモーションを活用して、中国マーケティングに取り入れてみませんか?

弊社では、中国のプラットフォームへの出店から、店舗運営、販促、広告までを一貫してサポートしております。越境ECの詳しい情報を知りたい方は、下記アドレスよりお問い合わせお待ちしております。

株式会社バベル  メール: babel.biz_cn@babel.jp

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?