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死を想う

うまくなどいかぬ
うまくなどいかせようとしてはならぬ

これが常なのだ
これが生と呼ばれるものなのだ
これが生きているという感覚なのだ

たまたま、何かの歯車の中で訪れた、幸福を求めてはならぬ
どんなに懸命に生きようと報われぬ命がある
それこそが命なのだ
生きるということなのだ

さぁ、泣け、喚け、狂え
その燃えたぎる鼓動が
ただ一つ
生きた証だ

孤独を埋めようとしてはならぬ
虚しさを埋めようとしてはならぬ
ただ、イヤホンから流れる聞き覚えのない音楽に乗せて踊るのだ

輝く明日なんて目指すものではない
それは、視界の曇った先に見えた虚構だ
幻影だ

壊せ、壊せ
その鮮やかな思い出も
捨てきれなかった糞にも及ばぬプライドも
愛した人も
流した涙も
言えなかった言葉も
歌えなかった曲も
全部、壊せ、燃やせ

この終わりなき世界に、ただ在るということがこんなにも難しいのかと、嘆くのではない
ただ、一輪の花に、身を焦がすのだ
ただ、身を焦がすのだ

もし、これが生きることだとするならば
僕は、何処までも、何処までも

死を想う

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satoshi tezuka
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