それでも前を向く

 生きてる意味がないだとか、死にたいだとか、まだまだどうしても思うことがあって、今日はあれこれしたから生きてた意味があったとか、今日を生きたことを咎められなくてもいい理由をいちいち考えたりする毎日を続けている、続けているというか続いている。ぼくが今日を生きたことをだれも咎めないことなんてわかっているし、なにもしない日があってもいいことだってわかっている一方で、その確認作業をしなければぼくは明日を生きるための材料をなくしてしまいそうで、なにか少しでも掛け違えてしまえばこの世から脱落してしまいそうで、じぶんでじぶんをこの世界から追い出してしまうかもしれないからだ。死ぬ勇気なんてものはないけど、生きるか死ぬかの判断がうまくできなくなる状況は容易に想像できて、ぼくはそれが怖くて怖くてたまらない、ぜったいにぜったいに死にたくない。
 そうは言ってもそろそろ盤面を整えて、前に進む準備をしなければいけない気がしていて、それができる気がしてきていて、今がひとつ大事な時期なのかなと思った。部屋を片付けてみた、めんどくさいなと思って行けてなかった好きなカフェに仕事の後に足を運んだ、一日一万歩を再開してみた、じぶんのことを大切にするって言うのはじゃあ具体的になんだってわからないけれど、本当にしたくないことはしないで、本当だったらやりたいことはやって、いまじゃないことはいまは休んで、一気には無理だけど体力や気持ちと相談しながらもう一度、正常な人生のレールに、命の循環にぼくはのりたい。いやそもそもが正規ルートにのっていないのではという話もあるけれど、じぶんが正しいと決めた道を進めたらそれが正解だし、歩いてきた道を正しかったことにするのはこの先のぼくなんだから、でもその自由が厳しかったりするよね。じぶんでじぶんの道をさ、正しいって思って生きていくのって結構しんどいし勇気がいる。でもぼくたちは慣れているよね、ここまで来るのにも簡単じゃなかったから、いろんな決定をしてきたから、それを正解にしてきたから、慣れているよね。
 三十二歳の誕生日まであと約半年くらいなんだけど、そのときにはぼくらしく生きていられるといいな。

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