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「実は3年前にお会いしてるんです」を振り返る
対話のコミュニティのオフ会で、ライター業にチャレンジしたいと思ってる子たちと「名乗っちゃおう」「いいんですか」「もちろん」と、さんざん盛り上がった。
そのうちのひとり、あゆさんと帰り道に「LINE交換しよ~~」と話してるときに言われた。
「今さら言うことじゃないんですけど、実は……3年前にお会いしてるんです」
ええ!?
高円寺にある老舗銭湯・小杉湯の隣にあるコワーキングスペース「小杉湯となり」。そこの書道イベントがあった。あゆさんは書道を教えてくれる先生、私は教わる参加者としてこの日、会ってた。
えー!
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めちゃくちゃ楽しいイベントだった。いろんな字体を教えてもらったり、好きな文章を書き写したり、手紙を書いたり。
![](https://assets.st-note.com/img/1717018483831-3Ezx4fSHPL.png?width=1200)
あんまり楽しくて、この日教えてもらった筆ペンを速攻で買ったりもしてた。のちに、アートワークに興味を持ったときも活躍することになる、ぺんてるの「カラー筆ペン アートブラッシュ18色セット)。
さらに、この日イベントのおまけとしてもらった「共通入浴券」がきっかけで、私は銭湯で働くことになる。
「どうして銭湯で働いてるの?」
— 島影真奈美|介護ライター (@babakikaku_s) April 29, 2023
「ツイッターでゆる募がありまして…」
「???」
もうひとつ前のきっかけとしてはコロナ禍の小杉湯に掲示されていたメッセージとの出会いがありました。あのときの気付きと脱力。泣きそうだけど温かく心地よい感覚、今も鮮明に覚えてますhttps://t.co/5mFNzB74lj
壁に貼られていた小杉湯店主(のちに、三代目・佑介さんだと知る)からのメッセージをぼんやり眺め、気づいたら泣いてた。
コロナ禍になったからといって、何が変わるわけではない。フリーランスだからもともと出勤はないし、オンライン取材がしやすくなったのはむしろ僥倖。そう自分に言い聞かせて、不安を押し殺してきたのだと気づいてしまった。そうか私は怖がってたのか。パチンとほどけて泣けてきて、でも、それは苦しい涙ではなく、気がラクになるようなものだった。
土曜夕方の静かな銭湯で、思い切り泣くだけ泣いて、のびのびすごした。それが2022年2月26日のこと。それから半年後、土日勤務の女性番頭アルバイトの【ゆる募】投稿がタイムラインに流れてきた。
【ゆる募】
— 平松佑介 | 小杉湯三代目 (@hiramatsuyusuke) August 6, 2022
小杉湯のアルバイトに興味ある方いますか?
9月以降で募集する予定なのですが、その前に女性番頭アルバイトに欠員が出てしまったので興味ある方がいたらDMください!
空いているシフト枠はこの3つです。
①土曜 18:00-21:00(3h)
②日曜 15:00-18:00(3h)
③日曜 21:00-24:00(3h)
30分たっぷり迷ってDMを送った。「興味あります!」「会いましょう」の後、「まずは試しにやってみましょうか」で番頭・番台になった。
![](https://assets.st-note.com/img/1717020008702-IsBrQ32kYJ.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1717020015704-736JIv7fEh.png?width=1200)
スタッフとして働いたのは、2022年9月から2023年11月までの1年ちょっと。でも毎週、決まった曜日・時間帯に銭湯に通う生活はたくさんのものを私にくれた。数えきれないぐらい、たくさん。
例えば、赤坂で月イチでやってるスナックママも、あの銭湯での経験がなかったら、最初の一歩を踏み出せなかったかもなーと思う。
そんな私にとって、あの書道イベントは「今」のはじまりの地のひとつだ。そこに、あゆさんはいた。
どこかで会ったような気はしてた。だって、見覚えあるんだもん。でも、そんなことをノーヒントで言われてな~~~と思い、言えずにいた。他人の空似かもしれないし、となりの会員さんと元スタッフなら、どこかですれ違ったり、挨拶ぐらいはしてても、全然不思議じゃない。
でも、想像してたよりもはるかに、しっかり会ってた。
「まなみさんと出会った書道イベントのことnoteに書いていました」
そう言って、あゆさんがnoteのリンクを送ってくれた。
「書道教室は何を教わるのかわからない。書き方じゃなくて、こういう面白い書体を知る場所が欲しい」
あの日の私はそう言って、いちばん目をキラキラさせていたらしい(あゆさん談)。やたらと楽しかったことは覚えてる。でも、自分が何を言ったのかは忘れてしまっていた。でも、言いそう! わははははは。
そして私も少しずつ思い出す。
すごくすごく楽しくて、教えてくれた先生(あゆさん)と、また会えたらいいなと思ったけど、「連絡先、交換しません?」は言えなかった。なんか唐突すぎるし、そんなこと言われても困るよなーって。
今の私はあの頃の私よりも、カジュアルに連絡先交換を申し出るようになった。たぶん、それも1年間の銭湯暮らしのお土産。いろんな意味で考えないようにもなったし、考えるようになった。気に病むことは減った。
おかげで今回は「LINE交換しません?」と声をかけることができて、その結果、「実は……」と3年前のことを聞けた。びっくり! びっくり! 鳩が豆鉄砲だった自分を思い出して、思い出し笑いを繰り返してる。