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「身体介護はやれません」を死守するはずだった私が介護技術に夢中な理由

介護が始まったばかりの頃、「介護教室」と名がつくものは徹底的に避けていた。直面したのが自分の親ではなく、義理の両親の認知症介護だったというのも大きいのかも。

生来のおせっかいと、おっちょこちょいと長女気質によって、うっかり介護のキーパーソンに立候補。その結果、どこに行っても「よくできたお嫁さん」「親孝行ですね」と持ち上げられ、心底うんざりする羽目になってた。

せっかちの仕切り屋、さらに、ええかっこしいが重なるともう、にっちにさっちもいかない。「はいはい、私がやらないとしょうがないですよね」とどんどん背負い込んでいったもんだから、目も当てられない。自業自得にもほどがある。

でも、そんな中で決めていたことがある。
「身体介護はできません。経験もないのでやれません」
この一線だけは守ろうということ。ここまで手を出すときりがない。
「さすが、頼りになるお嫁さんですね」ポジションにだけは立たないぞと、心に決めてた。「お嫁さんに任せておけば安心」と、義父母の介助まで任されたらたまったもんじゃねぇ……! と内心思ってた。

介護のことは知りたい。最適解は見つけたい。でも、できるのにやらないのは苦痛。最初からやれないなら、心も痛まない。だからこそ「身体介護はやれません」死守を固く心に誓ってた。

でも、その誓いはあっさり崩れる。

当時、介護現場で働く友人たちと「働く私たちと親の老い会議、略して #老いラジ 」というライブ配信をやっていて、その中で「高齢の親との外出で気をつけたいこと」というテーマをとりあげた。教えてくれたのは、フリーランスの介護職、今は三鷹で定期巡回の事業所をやっている友人のまえさん。

Facebookライブ、ダウンロードしたかったけどうまくできなかった。残念

例えば、施設からの外出の前にプロはどんな風に下調べをするのか。ちょっと足元がおぼつかなくなってきた高齢の親と歩くとき、何を気遣ってあげられるといいか。

オンラインでちょっとアドバイスしてもらっただけなのに、次に会ったときには義母にべた褒めされた。

「ねえ、あなたと歩くと、とっても調子がいいわ。ダンスしてるみたいよ」

その後、車椅子の友人との沖縄旅行に行くための移乗介助の特訓などを経て、すっかり介護技術の面白さに開眼。

「親孝行な娘さん/お嫁さんがいていいわね」のプレッシャーから身を護る方法はそれはそれで探しながら、「介護技術で遊ぶ会」を2~3か月に1回ぺースで開催したりしてる。介護職も、介護家族も、介護ぜんぜん関係なくても、何も知らなくても参加できる。

「手をここにおきましょう」とか「足をこうあげて」とかの『型』を学ぶ場ではなく、手のひらを通じて相手を知って、対話する場。なんのこっちゃ! だけど、全然まだうまく言語化できてない、この場で実践されている遊びの先に《あたらしい介護技術》があって、それを言葉にしていくのが私の宿題。

そんなことを思いながら、介護技術を見つめてます。わっしょい!

明日は私をめくるめく介護技術の世界に連れて行ってくれた、敬愛する訪問介護事業所「リバーサイド・ヴィラホームヘルプサービス」の皆さんのケアに同行させてもらいます。ワクワクしすぎて眠れない。けっこう早起きなんだけど、大丈夫か。がんばる!


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