半袖のスクールシャツ
わたしはナイフを持って学校に向かっている。でもきのう、なぜか途中で腹や上腕を刺してしまった。電車の中でわたし自身も予想できないぐらい突然だった。すぐに降りて人の少ない方へ歩いた。誰もわたしのことは見ていなかった。わたしの血が染みたスクールシャツは前を歩く派手な女の人よりは地味でなんだか恥ずかしくなった。ナイフは実は、左ポケットにも入っていて、また、通学カバンにも入っていた。仕方がないから家へ戻って半袖のスクールシャツに着替えて薄めのカーディガンを羽織った。わたしは再び登校し始めた。遅刻はするけれど、ずる休みはだめだから。
帰り道に制服屋さんに寄って長袖のシャツを買った。家に帰って半袖はクローゼットにしまって買ってきた長袖は洗濯かごに入れた。もう半袖は着ることはない。来年はきっと鬱陶しかった襟からの解放を喜んでいるだろう。
月曜からは長袖とカーディガン。血はもう傷になり絆創膏で塞がれていた。もうそろそろ秋は終わる。
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