カニのせいじゃない
先日、地味~~に予告した、本日お盆の日の供養noteについて。
北海道カニレストラン逐電事件。
カニレストラン脱走事件、でもいいんですが、逐電という言葉を
浮上させたくて、大げさに使っちまいました(笑)
37年前の秋。新婚旅行しました。
行先は北海道・道東(?確か東)周遊ルートです。
憶えている地名は、えーと、層雲峡、摩周湖、網走、支笏湖、屈斜路湖、弟子屈、オンネトー(湖)、札幌、もう一つ大きな湖(名前が出てこない^^;)
ルートめちゃくちゃだと思いますが、思いつくままに挙げてみました。
始まりから不穏でした。
その年の夏、日航機の墜落事故が起き、悲惨な映像が連日流れました。
もともと、飛行機が飛ぶことに信が置けない私だったのですが、でも実際、大丈夫なんだろう、とは思っていました。それで、生まれて初めての北海道旅行・空の旅に、ドキドキワクワクしてはいたのです。
それなのに、なんとか保っていた楽しみが、一瞬にして切れ切れになってしまいました。挙式、新婚旅行、というキラキラした予感のなかをすっと横切る不安の影。
でも夫も、航空機事故は、交通事故の確率よりもずっと低いんだから、大丈夫!と繰り返し言ってくれていたし、それもそうだよね、と思い直して当日を迎えました。
当日の天気はよくなかったです(´;ω;`)
半分くらいは、揺れて、ガクッと落ちて、また揺れてという感じ。
足の下は何もないし。浮かんでるし。
私はここまでなのか・・・とか。
ひとっつも楽しくなかったです(笑)
隣の席で夫がどうしていたのか、まったく記憶にありません。
ようやく北の大地に着地して、陸路はレンタカーに乗り換えました。
旅のルートはもう決められていて、ポイントをたどれば、名所や特産物、食事もお宿も、ちゃんと楽しめる、というパックです。
紅葉を楽しめるはずだった層雲峡では霰が降り、近くのお店に飛び込んで、セーターを買ったり。でもそれはそれで、楽しかったのでした。
どこまで走っても信号がない、視界を遮るものもない広い大地を、白いブルーバードでドライブしました。
BGMは、夫が用意した、高中正義のギターの曲と、矢沢永吉。
なかなかよく合っていました。
左手に水平線の濃い青をながめながら、平坦な気持ちのいい道を走り、その何日目かのランチの場所に着きました。
そこが、事件の舞台となる、カニ料理のレストランでした。
夫はカニに目がないので、しっかりこういう所は押さえています。
テーブルに着くと、お冷とメニューが来ました。
メニューを開くと、どれも、おいしそう。おいしそうだけど、どれも高価!
こここんなお高いお食事を、わしらのような青二才が、こんな贅沢な場所で
食べちゃってていいのか!?
ふと脳裏をよぎる、実家の質素なごはん。ああ、とうさん、かあさん(笑)
だいいち、だれだ、こんなとこまで連れて来て、ほかにどこにもご飯屋がないじゃないか、選べないんじゃないか、ずるいぞ「〇〇観光」め!!
なにしろ、新婚旅行の計画は、私はまったく夫頼み、夫は毎晩遅くまで仕事で、2人でじっくり練ったわけでもなく、すっかり〇〇観光にお任せだったのです。
まして私なんか、そういう新婚旅行というものが、旅行社と観光地とで連携し合って、お互いに益となるような仕組みであることに「なんかうまく連れてこられて高い買い物させられた」的な被害妄想を抱くような、思いっきり世間知らずのひねくれ者だったのです・・・思い違い120%だったのです。
しかし、その当時は、怒り心頭でカッカしていたので
「帰る。こんなの高すぎて食べられない。帰る!」と立ち上がり
テーブルの水と夫を残して、ずんずんとお店を出てしまったのでした。
温厚な夫はさぞかしわけわからんちんで慌てたことでしょうね(;^_^A
カニ食べたかったのに急いで出てきてくれて、じゃあとにかく車に乗って、どこかあったらそこでお昼にしようと、なんだかわからんけど、ヨシヨシ、いい子にしてね、という対応だったと思います。
これが我が家にいまだに言い伝えられる、「北海道カニレストラン逐電事件」でした。
・・・って、
しょーーーもな!!(笑)
ここまで読んでくれた方、ごめんなさい<(_ _)>
夫はこの時のカニへの未練断ちがたく、今でも何かといえば「カニ、カニにしよう」と言います。お正月とかですね。
それでそのカニに舌鼓を打ちながら、このカニレストランから逃げ出した事件をしみじみとニヤニヤと、子ども達の前で蒸し返すのです。
私は自分でもバカだったとムカムカするので、ずっと「その話まだするか!」と中断するのに躍起となってきましたが。
ここで記事にして供養ができたので、もうそれはせず、しずかに目を閉じて
「そんなこともあったわね」と、悟りの微笑みを返そうと思います(笑)
何を供養したのかわかりませんが。
カニじゃないことは確かですね。
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